薬師如来(やくしにょらい)とは?

薬師如来は、日本ではたくさんのお寺に薬師如来像がありますが、
お釈迦さまの一切経七千余巻の中では、
ごくわずかしか説かれていない謎めいた仏です。
一体どんな仏なのでしょうか?

薬師如来とそのご利益

薬師如来は「薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)」ともいわれ、
東方十恒河沙の仏土を過ぎたところにある
浄瑠璃世界(じょうるりせかい)」の仏です。

薬師如来の
脇士は日光菩薩と月光菩薩、
眷属は十二神将です。

薬師如来について説かれているのは一切経七千余巻の中でも
ほぼ『薬師経(やくしきょう)』のみと、ごくわずかです。
4〜5種類の異訳がありますが、中でも代表的なのは、
三蔵法師玄奘が翻訳した『薬師瑠璃光如来本願功徳経』です。

それらの『薬師経』には、
薬師如来が12の本願をおこして仏のさとりを開いたことと、
命を延ばす法、九つの不慮の死を免れること
などが説かれています。

その12の本願の
1番目には、人々に仏のさとりを開かせたいと願っていますが、
6番目には、生まれつきの身体の障害や病気を治したいと願い、
7番目には、色々な病気を治してやりたいと願っています。

このように、命を延ばす法が説かれたり、
病気を治すと願われていることから、
昔から日本中で多くの信仰を集めてきました。

薬師信仰の歴史

薬師如来の姿は、『薬師経』にはまったく説かれていないので、
奈良時代頃の仏像では手に印を結んでいますが、
平安時代頃になると、ほとんどが薬壺を持っています。

ですから仏像に添えられた説明を読まずに、
仏像を見ただけで薬師如来を見分けることは、
極めて困難です。

古くは聖徳太子の法隆寺の薬師如来像が
一番古いとされますが、
成立年代ははっきりしていません。

やがて7世紀後半、天武天皇が奥さん(後の持統天皇)の病気が治るように願って、
薬師寺の建立が始まりますが、天武天皇が先に死んでしまい、
工事は奥さんの持統天皇に引き継がれて薬師寺は完成します。

平安時代になると、
天台宗の最澄や、真言宗の空海が、
たくさんの薬師如来像を造り、
全国に広まっていきます。

医学がなかった当時は、病気になったときに薬師如来に
病気を治してください
と祈る人がたくさんありましたが、
最近では医学の発達に伴い、
病院に行く人が圧倒的に多くなり、
薬師如来に祈る人はほとんどなくなりました。

薬師如来が病気を治す目的

ところで、薬師如来が病気を治す目的は何なのでしょうか?

病気が治って命が延びても、
死ななくなったわけではありません。

また別の病気にかかります。

病気が治るというのは、
一時的に死を先送りしただけのその場しのぎで、
根本的な解決にはなっていないのです。

そんなことは、仏のさとりを開かれた
薬師如来が分からないはずがありません。

病気を治し、命を延ばすのは、一秒でも長く生きる為ですから、
生きる手段ですが、そうやって生きる目的は、
仏教に説かれています。

薬師如来が病気を治す目的は、
病気が治った人が仏教を聞き、
本当の幸せになるためです。

仏教には、苦しみ悩みの根元を解決し、
未来永遠の幸せになる方法が説かれているのですが、
仏教は人間に生まれたときしか聞けません。

せっかく生まれがたい人間に生まれても、
病気になったり、死んでしまっては仏教を聞くことができませんので、
仏教を聞くのを助けるために、薬師如来は
病気を治し、命を延ばそうとされているのです。

仏教が大事だから健康が大事
ということです。

薬師如来の真意

では薬師如来は、どのようにすべての人を導こうと
しているのでしょうか?

薬師如来は、大宇宙に数え切れないほどおられる仏方の一仏ですが、
それらの仏の先生は、阿弥陀如来です。

阿弥陀如来と薬師如来の関係は、
阿弥陀如来が先生で、薬師如来はその弟子という
師弟関係にあります。

仏教では、弟子の使命は、先生の御心を伝えることですから、
薬師経』には、薬師如来の東方浄瑠璃世界に往生する方法は、
説かれていません。

私たちから見ると逆方向、西方十万億の仏土を過ぎたところにある
阿弥陀如来の西方極楽世界への往生は説かれています。
極楽への往生を願っているのに、
まだ阿弥陀如来に救われていない人を
薬師如来が助けるとのことです。

薬師如来には、すべての人を救う力はありませんので、
薬師如来が遠く及ばない絶大なお力を持つ
先生の仏である阿弥陀如来に、
苦しみ悩みの根本原因をなくしてもらい、
未来永遠の幸せに救われなさいと勧めておられるのです。
それが薬師如来の真意です。

では、どうすれば未来永遠の幸福になれるのかというと、
苦しみ悩みの根元を断ち切られればいいのですが、
それは仏教の真髄となりますので、小冊子とメール講座にまとめてあります。
ぜひ一度みてみてください。

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