出家とは

出家」とは「家出」と似ていますが、
子供の家出とはわけが違う、大変厳しいものです。
それにもかかわらず、人気の芸能人や有力な政治家が出家したりします。
本来、出家とはどんなもので、どうすれば出家できるのでしょうか?

出家の目的

この世は無常の世界。
どんなにお金や財産、地位、名誉に恵まれても、
それらは続きません。はかなく崩れ去ります。
たとえしばらく続いたとしても、
老いて、病にかかり、最後は必ず死んで行かなければなりません。
そんな続かない幸せに執着する、
この世の迷いを離れ、苦しみから離れるために、
人は、出家の生活に入ります。

出家」の「」とは、煩悩の象徴であり、
五欲の象徴です。

五欲とは、以下の5つです。
1.食欲……人間の最も大きな欲。食べるために起こす欲。
2.財欲……金は一円でも欲しい、土地は一坪でも欲しいと思う心。
3.色欲……男女の仲を満たそうとする性欲。
4.名誉欲……どんな人からでも誉めてもらいたい心。
5.睡眠欲……眠りたい欲。
家にいると、夫も妻も子供もいます。
冷蔵庫を開ければ、食べたいときに食べ、
飲みたいときに飲むことができます。

そんな五欲怒り愚痴煩悩を起こす縁が
たくさんあります。
そこで、「出家」の「」とは、
それらを離れて、一切の愛欲を断って、
仏弟子になるということです。

そして、出家した仏弟子たちの目的は、
みな共通して、さとりを得るということです。
共通の目的に向かって集団生活をすることで、
一人ではあきらめてしまったり、途中で心がおれてやめてしまうような
修行でも、みんなで励まし合って実践できるようになります。

出家とは、よりよくさとりを目指すために行うのです。

出家して家族に迷惑はかからないの?

出家するには、結婚して妻や夫があれば離婚して、
子供とも別離しなければなりませんから、
家族には迷惑がかかります。

お釈迦さまは、出家される前は、
一国の皇太子だったので、国を捨て、妻子を捨てて出家されたとき、
国王が国を挙げて捜索活動を展開しました。

その結果、追いかけてきた人たちが、
ついに深い山奥で瞑想しておられるお釈迦さまを発見します。

そして、このように追及します。
あなたのお父さんお母さんがどんなに心配しておられるか、ご存じですか?
食べ物も喉を通らず、夜も眠られず心配しておられます。
なぜ両親を苦しめてまで、修行するのですか。
国王様は、あなたを次の王様にしようと思って、
今日まで大事に育ててこられました。
どうしてその親を苦しめるようなことをされるのですか?
国民も、次の王様はあなただと期待を寄せています。
どうして国民を裏切るようなことをされるんですか?
奥さまも寂しがられて毎晩泣いておられます。
子供のラーゴーラ様も
お父さんはどこ?お父さんはどこ?
と探し求めておられます。
両親を泣かせ、
妻を泣かせ、
子供を泣かせ、
国民を失望させる、
そんなにまでしてどうして出家なんかされるんですか?」
というものです。

すると、お釈迦さまは
それはまことに申し訳ないことです。
私もよく承知しております

じゃあたくさんの人苦しめると知りながら
なぜそんなことなさるのですか

と言うと、非常に困惑されたのですが、
この世は無常の世界、どんな人もやがて、
老いて、病にかかって、死んでしまうという問題を抱えている。

ただこれに気づかない人が、ほとんどです。
しかしそれに気づいた私は、
その問題を解決せずに、何ごとも手に着かないんです。

この大問題あることを解決して、みなさんにお伝えしたいんだ。
それにはまず私が解決しなければ、
皆さんにお伝えすることはできないんだ。
今は親不孝をしていることになります。
本当の親孝行をしたいんです。
本当に妻や子供を幸福にしたいんです。
国民を本当の幸福にしたいんです。
今は苦しませるこもしれないけど、
どうか私の気持ちをくみ取ってもらいたい」
そしてがんとして動かれませんでした。

これを
通さぬは 通すが為の 道普請
といわれます。

道普請」とは、道路工事のことです。
危険なところそのままにしておくと、大変な事故が起きますが、
皆さんに安全に通って頂くために道路工事をして、
一時的に回って貰っているということです。

そしてお釈迦さまは、6年間の修行の末、
仏のさとりを開かれてブッダとなられ、
すべての人が本当の幸せになれる道を明らかにされました。

そのお釈迦さまの教えによって
今日まで幾億兆の人が本当の幸せになったかしれません。
それが、お釈迦さまの出家だったのです。

では、その後はどのような出家が行われてきたのでしょうか。

出家の方法

仏教で出家するには、まず学校の入学式にあたる、得度式を行います。
そして剃髪して坊主頭にし、受戒壇で受戒します。
受戒には、5人や10人の受戒してくれる僧侶が必要です。
戒律は、20才未満の沙弥は「十戒」を、
正式な僧侶は「二百五十戒」を守ります。

十戒」は、以下のようなものです。
1.殺生をしない
2.他人のものを盗まない
3.異性に触れない
4.ウソをつかない
5.酒を飲まない
6.午後に食事をしない
7.歌や音楽、踊りは試聴しない
8.指輪やネックレスなど、装身具、香水は使わない
9.大きいベッドを使わない
10.お金を受け取らない
5番目までは、在家の人も守るべき戒律です。
正式な僧侶は、さらに「二百五十戒」があります。

もちろん会社に勤めていれば、やめなければなりません。
そして、田畑を耕したり、炊事をしたりしてもいけません。
午前中に托鉢をして、頂いたお布施物を正午までに食べ切って生活し、
仏教の学問や修行に励むのです。

(これが出家の基本ですが、
宗派、各寺院によって異なりますので、確認が必要です)

このように、世俗を離れ、遠くさとりを求める
非常に厳しいものが出家です。

では、出家しなければ、この世の苦しみから離れることは
できないのでしょうか?

出家せずに苦しみを離れる方法

お釈迦さまは、中部経典に、
ガンジス河が海に向かって流れ、ついに必ず海に至るように、
在家者も出家者もともに涅槃に向かい、ついに必ず涅槃に至る

と説かれています。

出家の人も在家の人も、男も女も、すべての人が救われる道を
お釈迦さまは説かれているのです。

それについては、仏教の真髄なので、
小冊子とメール講座にまとめておきました。
一度見てみてください。

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