無間地獄(阿鼻地獄)とは

無間地獄(むけんじごく)は、阿鼻地獄(あびじごく)ともいいます。
阿鼻は、阿鼻叫喚の阿鼻です。

無間地獄は、地獄の中でも最も苦しい世界です。
一体どんな世界なのでしょうか?

無間地獄の名前の由来・無間とは

無間地獄」の「無間」とは、
インドの言葉の「阿鼻」を中国語にしたものです。
意味は、「間が無い」と書くように、
休む間もなく、苦しみ続けるということです。

普通、学校の勉強でも
会社で仕事をするにしても、
昼休みのような休憩があります。

ところが、無間地獄には、昼休みはおろか、
どんな小さな休憩もありません。
たて続けに苦しみを受け続けます。

一体どんな世界なのでしょうか?

無間地獄の様子

源信僧都の『往生要集』には、
無間地獄の様子をこのように描かれています。

無間地獄へ堕ちるまで

まず、無間地獄に堕ちる無間業という罪を犯した人は、
死ぬと二千年の間、たった一人で泣きながら
真っ逆さまに堕ちていきます。
これを「頭下足上(ずげそくじょう)」といいます。

その間、泣きながら
火しかないよー、熱いよ−、隙間もないよー
地獄は悪人ばかりいるのに、
誰も一緒に来てくれないよー、孤独だよー
真っ暗だよー、火の中に堕ちていくよー

と泣き叫ぶと、閻魔大王の部下のが、怒り狂って
そなたは自ら無間業を造ったのであろう。
なぜ今さら後悔するのだ。誰一人助けてくれる者はない。
この苦しみをひとすくいの水だとすれば、
無間地獄の苦しみは、大海のような苦しみだ

と叱責します。

すると確かに下の方から聞こえてくる罪人たちの
阿鼻叫喚の悲鳴を聞くと、
苦しみが10倍になって悶絶し、堕ちていきます。

無間地獄の情景

無間地獄にたどり着くと、
高さ8万由旬・8億キロメートルの七重の鉄の城に行きます。
これが「無間の火城」です。
周りは、7重に鉄条網で取り囲まれ、その周りに刀の林があり、
四隅には、体長40由旬・400キロメートルの銅の番犬がいます。
牙は剣、歯は刀の山、下は鉄のムチ、すべての毛孔から猛火と臭い煙を噴き出して、
稲妻のような眼光で見張っていますので、脱出は不可能です。

獄卒は、18人のがいて
64の眼を持ち、かぎのように曲がったむき出しの牙が上に向かって
火が流れ出し、無間の火城に満ちています。
頭の上に牛の頭が8つあり、それぞれ18本の角があり、
一本一本の角から猛火を噴き出しています。

城の中には鉄のはたほこというものがあり、
矛から旗が垂れていて、炎がほとばしり、
城の中に満ちあふれています。

四方の門の敷居の上には80の釜があり、
沸騰した銅が流れ出して城内を満たしています。
ちなみに銅が溶けているということは、
1083度以上の赤くトロトロにとけた銅です。

室内には、8万4千の鉄の蜂と大蛇が毒と火を吐いています。
百千の雷のように咆哮し、鉄の雨を降らせています。
また、五百億の虫がくちばしから火を吐きながら
落ちてきます。

無間地獄で受ける苦しみ

無間地獄の猛り狂った燃え下がる炎が、
罪人の皮に穴をあけ、肉に入り、
骨の随まで焼き尽くします。

東西南北の四方から、
間断なく炎が放射されてくるので、
間断なく焼かれ、苦しまなければなりません。
苦しみに責められた悲鳴が聞こえてくるので、
他にも罪人がいるらしいことだけがわかります。

口を熱鉄の金具で開かれ、
舌を抜き出され、牛皮のじゅうたんのように広げられ、
100の鉄釘でとめられます。
口の中に熱鉄の砲丸を入れられ、
溶けた銅を注ぎ込まれます。

無間地獄の苦しみの程度

無間地獄の苦しみの大きさは、
他の地獄のすべての苦しみの合計の
1000倍以上の苦しみです。

そのため、無間地獄に堕ちた罪人が、
無間地獄の次に苦しみの激しい大焦熱地獄を見ると、
天上界のように見えます。

もし無間地獄の苦しみを説こうとしても、
1000分の1も説くことができません。
譬喩でたとえることさえもできません。
もし無間地獄の苦しみを話す人と聞く人がいれば、
どちらも血を吐いて死んでしまいます。

無間地獄の刑期

無間地獄の刑期は、
観仏三昧経』には、無間地獄についてこう説かれています。

これらの罪人は、この地獄に堕し、八万四千大劫を経歴する
1劫は気の遠くなるほど長い期間で、
4億3200万年ともいわれます。

1劫を4億3200万年として、
八万劫の苦しみを受けるとすれば、
人生80年と無間地獄の期間を比べるとどうなるでしょうか?

長さにたとえて、
人生を1ミリだとすれば、
無間地獄は地球10周半になります。
ほとんど永遠に想像を絶する苦しみを
受け続けなければならないのです。

では、どんな人が無間地獄に堕ちるのでしょうか?

無間地獄に堕ちる罪

どんな人が無間地獄に堕ちるのかというと、
五逆罪を造った人と、
法謗罪を造った人です。

観仏三昧経』にはこのように説かれています。
方等経を謗り、五逆罪をそなえ…(中略)…
 衆罪をそなうる者、身は阿鼻獄に満ちる

方等経を謗り」というのは
大乗仏教を謗る法謗罪です。

涅槃経』には、このようにあります。
もし父母、仏および弟子において不善の心を生じ、
悪業をおこさん。かくの如きの果報、阿鼻獄にあり

父母に不善の心を起こして造る悪業が五逆罪、
仏および弟子に不善の心を起こして造る悪業が法謗罪です。

十往生経』には、
この経を読誦する者あるを見るに或いは相瞋恚し、
心に誹謗を懐き…(中略)…地獄に堕ち、
八万劫中大苦悩を受く

と説かれています。

このように、五逆罪と法謗罪は、
無間地獄に堕ちる恐ろしい罪なので、
無間業」といわれます。

では、五逆罪と法謗罪とは、
それぞれどんな罪でしょうか?

五逆罪とは

五逆罪というのは親殺しをはじめとする、
5つの逆恩の罪です。

これは、手にかけて親を殺すのは
もちろん五逆罪ですが、
心を最も重く見る仏教では、
親を恨んだり、
邪魔だなー」とか
うるさいなー」などと
心で思っただけでアウトです。

また、
こんなに苦しいのなら死んだほうがましだ」と思うのは、
親が産みさえしなければこんなに苦しまなくてもよかったのに、
と親を恨んでいるのですから、五逆罪です。

このようなことを思ったことがあれば、
無間地獄に堕ちます。

法謗罪とは

法謗罪とは、仏教を謗る罪です。
仏教なんて子供だましだ
聞く必要はない
などと謗るのはもちろんですが、
仏教に説かれていることを
そんなことはおとぎ話のようなものだろう
と疑ったり、軽んじたりするのも、
法謗罪です。

お釈迦さまは『涅槃経』に、
すべての人の本当の姿を
五逆、謗法の者と教えられ、
そしてこの果てしない無間の苦しみから逃れる方法を
教えられたのです。

それは仏教の真髄ですので、
小冊子とメール講座にまとめておきました。
一度目を通しておいてください。

関連記事

目次(記事一覧)へ