畜生(ちくしょう)とは?

よく悔しいときに、「ちくしょう」とか、「こんちくしょう」と言います。

語源は、もともと仏教の畜生です。
うっすら動物のことだとは分かると思いますが、それだけではありません。
畜生は一体どんな世界で、どんなことをすると畜生に生まれるのでしょうか?

畜生の種類

畜生とは、仏教で、私たちが生まれ変わりを繰り返す、
六つの迷いの世界、「六道(ろくどう)」の一つで、
畜生道(ちくしょうどう)」とも
畜生界(ちくしょうかい)」ともいわれます。

もともとの生活環境は海ですが、
そこから人間界や天上界の間に出てきて一緒に生きています。
数は『往生要集』によれば34億種類もありますが、
現時点で人間に発見されているのは100万種程度です。

種類は、鳥や獣、蛇、魚のような動物だけでなく、
虫もいますが、虫は極めて数が多く、半分以上は虫です。
げじげじや、土の中に住む虫に生まれれば、
真っ暗闇の中で生まれ、闇の中で死んでいきます。
のみやシラミに生まれると、人間の身体で生まれ、
人間の身体で死んでいきます。

畜生に生まれると?

畜生道(畜生界)に生まれるとどんな生きざまになるかというと、
見ての通り、強い生き物が、弱い生き物を食べる
弱肉強食の世界です。
畜生は、獣でも、鳥でも、魚でも、虫でも、
常に自分より弱い、食べ物にする生き物を探し、
自分が餓死する前に、他の生き物を食い殺さなければなりません。

頭はあまり発達していないので、
先のことはあまり考えられませんので、
本能的に欲のままに生きています。

常に「今さえ楽しければいいや」と考えて、
弱くて美味しそうな生き物をただただ追いかけ回す、
刹那的な、快楽主義の生き方をしています。

逆に、常に自分を食べる生き物に狙われているので、
昼も夜も心は安まりません。
夜寝ているときも、少し物音がしただけで、ビクッと聞き耳を立て、
危険を感じたら猛烈に逃げ出さなければなりません。
それでも捕まれば死にます。
常に不安におののく恐怖の競争社会です。

強い動物に生まれても、人間に撃ち殺されたり、
魚に生まれると、人間に釣られたり、網で捕獲されて食われます。

馬や牛、豚などに生まれると、鼻に穴をあけられてつながれたり、
顔や背中に馬具をつけられて重い物を乗せられたり引かされたり、
ムチで打たれて一生涯タダ働きさせられます。

そのあげく、ある日、鉄で脳を打ち割られて屠殺され、
出荷されて食われることもあります。

寿命は種類によって、すぐ終わってしまう場合もあれば、
かげろうのように数時間の場合もあります。
鶴は千年、亀は万年と言われるように、
人間よりも長い畜生もあり、その間、いつも不安に怯え、
獲物を探して競争し続けます。

どんな行いによって畜生道に生まれるの?

どんな行いによって畜生道に生まれるのかというと、
愚痴の心です。
また、恥知らずな者も畜生に生まれます。

実際、お釈迦さまの『涅槃経』には、
慚は人に恥ず、愧は天に恥ず、これを慚愧と名づく、
無慚愧は名づけて人とせず。名づけて畜生とす

とも説かれています。

また、龍樹菩薩の『大智度論(だいちどろん)』には、
恩を知るは大悲の本なり、善業を開く初門なり。
恩を知らざるものは畜生よりも甚だし

と説かれています。
渋谷駅で10年間、亡くなった飼い主の教授を待ち続けた
忠犬ハチ公」まで行かなくても
犬は3日飼えば恩を忘れないと言われるのに、
恩知らずな人は、畜生よりもお粗末だ、ということです。

畜生界の最大の難点

畜生界で最も恐ろしいところは、
畜生は、仏教を聞けませんので、
六道輪廻から抜け出すこともできない
ことです。
仏法を聞いて、六道輪廻の迷いを離れられるのは、
人間に生まれたときだけなのです。
ところが、せっかく人間に生まれても、動物のように、
今さえ楽しければいいや」という刹那的な快楽主義だったり、
恥知らずな生き方だったりして、仏法を聞かなければ、
せっかくのチャンスを失ってしまいます。

生まれがたい人間に生まれた今生に、
人間に生まれた意味をよく見つめ、
迷いの根本原因を知り、それをなくして、
永遠の幸福に生かされましょう。

迷いの根本原因については、分かりやすいように
メール講座と、小冊子にまとめておきました。

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