欲望の対処方法

欲望とは、欲しがる心です。
お金が欲しい、物が欲しい、
美味しいものが食べたい、好きなことがやりたい、
男が欲しい、女が欲しい、
愛されたい、理解されたい、認められたい、他人に勝ちたい、
と限りなく求め続ける心です。

仏教では「貪欲(とんよく)」といわれ、
108の煩悩の中で最も恐ろしい三毒の一つです。

対処を誤ると、人生を棒に振ることになります。

欲望に強烈に突き動かされる

欲望は、モチベーションの源であり、
私たちの行動の原動力です。
何をするにも、欲望に突き動かされています。

これがいいことならいいですが、
(そして、自惚れ強い私たちは、
いいことだと思い込んでいるのですが)
ほとんど悪いことばかりです。

代表的な欲望を、仏教で「五欲(ごよく)」と
教えられています。

1.食欲(しょくよく)
2.財欲(ざいよく)
3.色欲(しきよく)
4.名誉欲(めいよよく)
5.睡眠欲(すいみんよく)
の5つです。

1.食欲とは、食べたい、飲みたい心です。
食べ物が乏しく、お腹がすいてくると、強烈に食べたくなります。
食べ物に困っていない人も、グルメになってきて、
美味しくないものに文句を言い、
美味しいものが食べたくなります。

他人と会食をすれば、同じメニューなのに微妙におかずが違うと、
「そっちのほうがいい」といって苦情を言い始めます。

2.財欲とは、お金が欲しい、物が欲しいという心です。

毎日、少しでも安いスーパーに買い物に行き、
1円でも安いガソリンスタンドでガソリンを入れます。

欲しいものがあるのに、お金が足りないから買えず、
寂しい気持ちになっています。

職場の友人やお隣さんが持っているものは、
自分も欲しくなります。

収入が下がったりすると、ものすごく苦しみ、
少しでも収入をアップさせようと苦しみます。

3.色欲とは、男が女を求め、女が男を求める心です。

好きな人に愛されたい、
男女ともに性欲が抑えきれずに苦しみます。

結婚しても、結婚相手以外の人が好きになり、
周囲のウワサになります。
パートナーに見つかると、死ぬまで許してもらえず
苦しみ続けます。

4.名誉欲とは、ほめられたい、認められたい、
馬鹿にされたくない、という心です。

挨拶をして、挨拶が返ってこないだけでムッとします。

意図的に無視されたり、相手にされないと、
軽んじられている気がして、その人が嫌いになります。

他人が自分のウワサをしていると、
すごく気になります。
ましてやインターネット上の掲示板に
何か悪いことが書き込まれていたら、
大きなショックを受けます。

少しでも認めて欲しい、理解されたいのに、
話を聞いてくれたり、認めてくれる人はほとんどいないので、
苦しみます。

5.睡眠欲とは、
眠たい心のほかに、少しでも楽がしたい心も
睡眠欲に入ります。

他の人のいびきや、歯ぎしり、蚊が飛ぶ音など、
少しでも睡眠欲が妨げられると苦しみます。

睡眠欲によって朝起きられないと
会社に遅刻したり、待ち合わせに遅れたり、
不幸な結果を招きます。

それは目覚ましがならなかったせいだと言い訳しますが、
お寝坊さんは、強い睡眠欲によって、
無自覚のうちに自分で目覚ましを止めてしまっているのです。

そして、積極的に働くのは面倒だから、
何も考えないで生きたほうが楽でいいと、
少しでも休もうとします。

積極的に働くモチベーションも、
財欲や色欲、名誉欲などの欲の心なら、
怠けるモチベーションも、やはり欲の心です。

どの欲なのかの欲望の種類が違うだけで、
私たちは、朝から晩まで、何かしらの欲望に引きずられて生きています。

他人よりも自分優先

この欲望の特徴として「自己中心的
ということがあげられます。

仏教では、「我利我利(がりがり)」といいます。

我利我利」とは、我が利益、我が利益と書くように、
自分の得しか考えていません。

自分の利害には敏感ですが、
他人のことには鈍感です。

自分が一円でも得するためなら、
他人がどれだけ苦しんでいても無関心ですから、
自分ができもしないことを他人にやらせます。

資本主義では、昔から、少しでも安くできるなら、
アメリカのプランテーションで他人を奴隷のようにこき使おうが、
イギリスの工場で他人の子供を安く働かせようが、おかまいなしです。
自己中心的で、他人のことには冷酷なまでに無関心なので、
相手を思いやることが大変困難です。

今日の日本でも、上司が少しでも身を守り、得をするためには
部下をこきつかい、社内政治の勢力争いに余念がなく、
ブラック企業といわれます。

自己中心的な人が集まって生きていますから、
一人一人の欲望から利害が一致せず、
人間関係が壊れて苦しまなければなりません。

欲望は満足を知らない

「欲を少なくして足を知ることが大切」とか、
「ほどほどで満足したらよい」とか言いますが、
実際に満足することはできません。

具体的に考えてみれば分かります。

食欲に「これで満足した」ということがあるでしょうか。
美味しいものも、初めてのときはいいのですが、
2回目3回目と回数を重ね50回目くらいになってくると、
別の美味しいものが食べたくなります。
満足できないのです。

色欲も、好きな人と、最初に手がふれたときにはドキドキするのに、
手にふれるだけで数十回目になってくると、
少しは進展しないと焦ってきます。
関心が別の人に移ることはあっても、
色欲に「これで満足した」ということはないのです。

財欲でも、自分の収入は「これで十分です」
という人がいるでしょうか。
「もちろん仕事のノルマは達成しますが、
給料は今の2/3でいいです」
という人がもしいれば、きっと会社に喜ばれますが、
実際には少しでも楽して収入を増やして欲しいと思っています。
これで満足したということはありません。
欲望にはきりがないのです。

これまで史上最高にお金を稼いだ人は、
石油王のロックフェラーという人です。

個人資産が数十兆円あったそうなので、
現在の日本人1億2千万人全員の一年間の税金よりも
多くのお金を持っています。

そのロックフェラーが巨万の富を築いて引退した後、
ある新聞記者から、「お金はいくらあれば満足ですか?」
と聞かれたことがあります。

3億円くらいあれば一生遊んで暮らせると思うので、
一生で使い切れないどころか、
1万回以上の人生を遊んで暮らせます。

ロックフェラーは一体何と答えたでしょうか。
なんと、「もう少し欲しい」と答えたそうです。

地球上の石油資源が枯渇するほど頑張っても、
一人の欲望さえも満たし切るこはできないのです。

欲望には限りがないということです。

そんな不要なお金を限りなく稼ぐために
限りある人生の時間を遣ってしまい、
満足できないままで一生を終わるのです。

無駄な欲望に馳せ使われて、
あっという間の人生を
酔生夢死してしまうのです。

欲望はなくすことができない

では、欲望はどうすればいいのでしょうか。

よく、欲望を抑えたり、なくすことを教える人がありますが、
仏教では、私たち人間は「煩悩具足(ぼんのうぐそく)」と教えられています。

具足」というのは、それでできているということで、
100%煩悩の塊ということです。

雪だるまから雪をとったら何も残らないように、
人間から煩悩をとったら何も残らなくなってしまうのです。

煩悩は、死ぬまで、減りもしなければ、なくもならないのです。

煩悩がなくせないとなったら、
どうすればいいのでしょうか。

煩悩あるがままで、救われる道があります。

欲望をコントロールせずに幸せになる方法

仏教では、欲望などの煩悩は、苦しみの「原因」と教えられているのですが、
苦しみの「根本原因」は、煩悩ではなく、別にある
と説かれています。

その、苦しみの根本原因をなくせば、
煩悩あるがままで煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)
煩悩がそのまま喜びの元となる、
絶対の幸福の身になれるのです。

その苦悩の根元は何かということは、仏教の真髄ですが、
メール講座と小冊子にまとめてあります。

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