引き寄せの法則

引き寄せの法則」とは一体何でしょうか?
お金」や「彼氏」など、何でも望むものを引き寄せる法則ということですが、
どうやればいいのでしょうか?
一体どんなしくみになっているのでしょうか?
引き寄せの法則」がうまく行く人と行かない人はどこに違いがあるのでしょうか?

引き寄せの法則とは

引き寄せの法則」は、
知っているかどうかに関わらず、
いつでもどこでも
すべての人の人生に働いている法則です。

それは、一言でいうと、
心で思っていることが引き寄せられる
という法則です。

逆にいえば、あなたの周りにあるものは、
すべてあなたが引き寄せたものです。

それは、自分の嫌な人や嫌な環境にもあてはまりますから、
この法則を知らないと、なぜ周りに嫌いな人がいるのか、
不条理な状況に陥っているのか分からず、
その状況を脱することができません。

そればかりか、苦しい状況で人が自然に思うことは、
不平や不満、怨みや呪いなど、悪いことばかりですから、
ますます悪い状況を引き寄せてしまいます。

その悪循環を断ち切るには、
引き寄せの法則」を正しく知り、
その法則にしたがって実践をすることが大切です。
それによって、自動的に人生は好転し、
自分の望んだものを手に入れたり、
達成することができるようになるのです。

引き寄せの法則とそのやり方

引き寄せの法則」は、
100年以上前から、色々な表現がなされていますが、
結局は全部同じことです。

代表的な表現は、エスター・ヒックスとジェリー・ヒックスによる
引き寄せの法則』という本に書かれているものでしょう。

それには、3つあります。

1.引き寄せの法則
2.意図的な創造の方法論
3.許容し可能にする術
の3つです。

1.引き寄せの法則

引き寄せの法則」とは、
それ自身に似たものを引き寄せるということです。
ことわざでいえば「類は友を呼ぶ」ということです。

望むと望まないとにかかわらず、
病気だと思えば病気になり、
元気だと思えば元気になります。
太っていると思えば太り、
やせていると思えばやせます。
貧乏だと思えば貧乏になり、
豊かだと思えば豊かになります。

注意点としては、「引き寄せの法則」は
ない」という否定は認識できません。
病気になりたくないと思えば病気になり、
太りたくないと思えば太り、
貧乏になりたくないと思えば貧乏になりますから、
必ず肯定形で考えることが大切です。

2.意図的な創造の方法論

意図的な創造の方法論」とは、
自分の感情に注意を払い、好きなことをする意図を
明確にイメージします。
つまり、実現に向かうことによって
ワクワクするようなものを目標とします。

そして、それは不可能ではなく、存在していて実現する、
あるいはもう実現していると思います。

このときによくある方法は、
紙に書き出すことです。
さらにビジョンボードといって、
より一層明確にイメージするために、
写真などを貼ることもあります。

それは忘れてしまっても、
その紙を発見する頃には実現しています。

3.許容し可能にする術

これは「他人は他人、自分は自分」と思って、
他人の言動に影響されないことです。
これは他人の言動を我慢するのとは違います。

被害者は存在しません。
あるのは共同創造者です。 
もし攻撃してくる人があれば、「引き寄せの法則」によって、
思考を向けたものが引き寄せられているだけなので、
欲しないものには思考を向けないのです。

また、困っている人を放置するのでもありません。
困っている人がいたら助けます。
ただし、相手が望まないことを強制しないのです。

これらの3つの法則によって、
人生が思い通りのすばらしいものになるというのが、
引き寄せの法則」です。

ただし「引き寄せの法則」に出てくる
怪しげな科学はほとんど間違いです。

引き寄せの法則の科学的根拠の間違い

引き寄せの法則』には、怪しい部分がたくさんあります。
たとえば、チャネリングを使ったりします。
エスターとジェリーの『引き寄せの法則』の本でも、
妻のエスターに乗り移った見えない世界の存在である
エイブラハムに、夫のジェリーが質問して
答えてもらうという形式になっています。

そしてこの本もそうですが、
引き寄せの法則」全般によくあるのは、
思考が波動を持っていて、それが思考したものを引き寄せる
というものです。

ウォレス・ワトルズの「引き寄せの法則」などは、
思考する原子物質が存在し、
そこに思考を送り、刻みつけると、
それが形となって現れる
」と主張し、
それをまことしやかに「科学的法則」と言っています。

しかし、「思考する原始物質」というのは、
現代人からすれば、どう考えても、
科学的」とは思えないと思います。

また、最近の本では、波動に関連してよく出てくるのが量子論です。
量子論とは、ミクロの粒子が波動の性質も持っているという理論です。
しかしながらこれはミクロの世界でいえることで、
私たちの日常的なマクロの世界ではいえません。

ジェリー・ヒックスは、見たこともないようなことを実現することを
量子的飛躍」と言っていますが、量子論は、
お金とか彼氏とか、目に見えるものを出したり消したりはできません。
話の飛躍です。

引き寄せの法則」は、今のところ量子論で説明できませんので、
量子論を出してきた人は、警戒したほうがいいでしょう。

では、このような科学的な説明が無茶苦茶な「引き寄せの法則」に、
一定の効果があり、たくさんの人に支持を受けているのには、
どんな科学的背景があるのでしょうか?

引き寄せの法則の7つの科学的背景

引き寄せの法則」の科学的・心理学的背景は、
主に脳科学の分野で、以下の7つが考えられます。

1.確証バイアス
2.プラシーボ効果
3.カラーバス効果
4.脳の質問に答えようとする働き
5.感情による脳の活性化
6.イメージトレーニングの効果
7.目標設定の効果

それぞれどんな意味でしょうか?

1.確証バイアス

確証バイアス」とは、認知心理学でいわれることで、
自分の信念に反する証拠を無視して、
自分の信念にかなう証拠ばかり集める傾向のことです。

ちょっとしたことでも、自分の願いがかなったと思うので、
占いがあたったように感じるのもこのためだといわれます。

このことから「引き寄せの法則」を信じて頑張っている人には、
実現していないのに実現したと思い込んでいる人がいますが、
これは錯覚です。

しかしながら、次の2番目からは、
実際に思考が現実化する場合のしくみを考えて行きます。

2.プラシーボ効果

病気の人に、実際には薬ではないものを薬と言って与えても、
30〜40%の人に効果が出ることで、
1955年にヘンリー・ビーチャーが提唱したものです。

昔から「病は気から」と言われるように、
心だけで肉体に効果が出ることがあります。
それと同様に「引き寄せの法則」が健康面に効果が出るのは、
プラシーボ効果から考えても、充分ありうることです。

3.カラーバス効果

カラーバス効果というのは、
脳は意識したものを見るというものです。
たとえば、今すぐ目をつぶって、
周囲に赤いものがあったかどうか、
思い出してみてください。

次に目をあけて、赤いものを探すと、
たくさん見つかります。

脳は、意識しないと見えないのです。

同じように、聴覚では、騒がしい雑音の中でも、
自分の名前を呼ばれたり、関心のある相手の声だけは、
明瞭に聞き取れるのは、「カクテルパーティー効果
といわれます。

これは脳の中の「網様体賦活系(もうようたいふかつけい)」
というところで、関心のないものをフィルタリングして、
関心のあるものだけを認識するのです。

ですから、脳は、意識を向けないと働きません。
何かを実現する以前の問題です。
心に思い描いて、意識を向けることによって、
動き始めるのです。

4.脳の質問に答えようとする働き

脳は、何か質問すると、今までの記憶を検索して、
答えを探し始めます。
ですから、今までの記憶や経験で培ったデータベースで
答えが出せないような難問には答えられません。

その場合、たくさんの情報を追加して考え続け、
数日間たって、リラックスしているときなどに、
ふと、今までなかったクリエイティブな発想を
ひらめきます。

これをアイディアが降りてくると表現する人もあります。

リラックスしたときにひらめくということは、
意識していないところで、
脳は自動的に考え続けてくれているのです。

引き寄せの法則」で、実現したいことを思い描いていると、
それを達成するにはどうすればいいか、
脳はひとりでに考え続けてくれるのです。

5.感情による脳の活性化

脳は、好きなことをしたほうが活性化します。

情報は、大脳皮質に届くと、ドーパミン神経系(報酬系)と
呼ばれるところで、感情のレッテルが貼られます。
その時、「好き」というレッテルが貼られると、
ドーパミン神経系は活性化され、脳の疲れが吹き飛びます。

その活性は情報を伝えた大脳皮質にフィードバックされ、
同時に活性化されます。

好きなものは、集中力が上がり、
記憶に残り、理解が深まり、
疲れ知らずで爆進するのです。

引き寄せの法則」でも、
自分の好きなことを考えるようにしますので、
結果を実現しやすいのです。

6.イメージトレーニングの効果

脳は、体を動かすトレーニングだけでなく、
体を動かさないイメージトレーニングによっても
鍛えられることが分かっています。

ある実験で、3つのチームに分けて、
バスケットボールのフリースローを行いました。
Aチームは、その後1日20分練習しました。
Bチームは、何もしませんでした。
Cチームは、1日20分イメージトレーニングをしました。

その結果,20日後に同じフリースローをしたところ、
Aチームは、24%の向上、
Bチームは、0%、
Cチームは、23%向上しました。

実際に体を動かさなくても、明確にイメージすれば、
かなりの効果があるのです。

引き寄せの法則」で、実現したいことを明確にイメージしたり、
もう達成したと思うことは、イメージトレーニングと同じように、
脳を向上させる可能性があります。

また、成功者と同じような心を思い描いて、
成功者にあるべき行動をとるようになれば、
似たような結果を生じることは充分考えられることです。

7.目標設定の効果

脳の報酬系は、自分で決めた目標が、
達成できると分かったとき、
気持ちよくなります。

つまり、目標を自分で決めないと
報酬系は働かないので、
脳は頑張れません。

いつまでに何をやるかを明確にすることによって、
達成力が上がるのです。

さらに脳の中の海馬という部分からシータ波という脳波が出ると、
記憶力が高まり、目の前で起きていることに
より正確に対応できることが明らかになってきました。

海馬のシータ波は、目標の標語や、
目標とする人の写真などを
常に目に見えるところに置くと
活性化することが分かっています。

引き寄せの法則」でも、主体的に目標設定し、
それをノートに書いたり、ビジョンボードで
繰り返し見たりしますので、達成力が上がるのです。

このように「引き寄せの法則」は、
スピリチュアルなチャネリングや、
謎の波動などで説明しなくても、
現在までにわかっている脳科学で、
それなりに説明できるのです。

このことから、「引き寄せの法則」で
手に入らないものもわかります。

引き寄せの法則で手に入らないもの

引き寄せの法則」は、
因果律にかなった法則ですから、
因果律に反したことは不可能です。

たとえば、日本人が
アメリカの大統領になりたい
と思っても無理です。
現在はアメリカに生まれた人でないと、
アメリカ大統領選に出馬する資格がないからです。

また「努力せずに億万長者になりたい
というのも無理です。
いかに「引き寄せの法則」といえども、
代償なしに何かを手に入れることはできないからです。

また「不老不死」を望んでも、
今のところ実現した人は一人もいません。
引き寄せの法則」を提唱した人たちも、
全員死んでいます。

このように、因果律に反したことは不可能ですが、
因果律にかなっていることの実現確率は大幅にアップするノウハウが
引き寄せの法則」です。

この「引き寄せの法則は、どのように開発されたのでしょうか?

引き寄せの法則の歴史

日本で「引き寄せの法則」が有名になったのは、
2007年です。

その年、エスター・ヒックスと、ジェリー・ヒックスの
引き寄せの法則』が日本で出版され、
同じく「引き寄せの法則」が書かれた
ロンダ・バーンの『ザ・シークレット』も出版されました。

それ以来、自己啓発の分野で、
引き寄せの法則」という言葉が流行しましたが、
実は「引き寄せの法則」は、
100年以上前から存在していました。

引き寄せの法則」という言葉を創ったのは、
1888年『精神力』という本を書いた
プレンティス・マルフォードです。

(「引き寄せの法則」は、もともとの英語では
ロウ オブ アトラクション
(Law of Attraction)です)

その後、1897年には、ラルフ・ウォルドー・トラインが
人生の扉をひらく「万能の鍵』を書きます。

そして1902年、聖書に次ぐベストセラーといわれ、
自己啓発の源流といわれるジェームス・アレンの
原因と結果の法則』が著されます。

1906年には、ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンの
引き寄せの法則 すべての願いが現実になる
があります。

1910年には、ウォレス・ワトルズの
富を引き寄せる科学的法則
が出版されます。

そして1937年には、ナポレオン・ヒルの
思考は現実化する』が出て
自己啓発のベストセラーになります。

1963年には、ジョセフ・マーフィーの
眠りながら成功する』が出ます。

引き寄せの法則の思想的背景

これらの「引き寄せの法則」を教えた人々は、
実は、キリスト教から現れた、
ニューソート」(新思想)の系譜にあります。

あなたのすべての思いは、現実のもの、力である」という
プレンティス・マルフォードが、ニューソートの創設者の一人です。

ニューソート」は、キリスト教から現れたのですが、
キリスト教に反して、神よりも人間を中心とし、
人間の意識は宇宙と直結していると考える思想です。

それには、当時の科学の進歩によって、
キリスト教が現実に合わなくなってきたことと、
仏教が西洋に広まってきたことが影響しています。

1897年、ラルフ・ウォルドー・トラインの
人生の扉をひらく「万能の鍵』には、
ゴータマ・ブッダは言った。
 心はすべてだ。あなたが思ったものにあなたはなる
」とか
ゴータマ・シッダルタという青年は、わたしは真実に目覚め、
 目的を実現しようと決意した、といった。
 わたしはブッダになる、と。その決意が彼に悟りを開かせ、
 この世で涅槃を実現させた。誰でもいまここで悟り
 同じことを実現する可能性がある─それが、彼の教えだ。
 そのために彼は大勢の人にとって光の担い手になった

と書かれています。

また、1902年の『原因と結果の法則』のジェームズ・アレンは、
24歳のとき、ブッダの生涯についての本に出会った影響は
10年経っても消えなかったと言っています。

また、ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンは、
仏教の哲学は、ネガティブなものと思われているかもしれませんが
─その目的は進むというよりむしろ明らかに隠遁しているように思えます─
しかながらそれは、優れた道徳的価値、極めて優れた進んだ理想を持っています

(ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン)
と言っています。

そして、仏教とニューソートの関係をこのように分析しています。

仏教は、2つの経路で、現代の西洋思想に影響を及ぼしています。
その2つは明らかに独立しているが、源は一つです。
一つの経路には、輪廻
(生まれ変わり)(生まれ変わりにおける原因と結果の法則)が流れ、
もう一つの経路には、思考と意志の力の教えが流れています。
1つ目の流れは、神智学によって主張される分野を通して西洋世界に届いています。
2つ目の流れは、ニューソートの様々なフィールドをゆっくり進んでいます

(ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン)

このように、「引き寄せの法則」や、自己啓発の源流には、
仏教の教えが大きく影響を与え、
現代の日本人も、仏教の教えを知らなくても、
間接的に影響を受けているのです。

仏教では、心の力と世界の関係について
脳科学のような表面的なものではなく、
もっと大規模なスケールで教えられています。

引き寄せの法則の本当のしくみ

仏教では、心を8つに分けて詳しく緻密に教えられています。
その8つとは、
五感に相当する5つの心、
6番目が意識、
7番目が無意識や深層心理に相当する心
8番目が阿頼耶識(あらやしき)という心です。

夜眠ると夢を見ることがあります。
夢の中でも、山があり、川があり、
家があり家族がいます。
学校や会社には、友人や同僚、先生や上司がいます。

そして、様々な冒険を繰り広げますが、
それらの家や家族、会社や友人は、
どこにあるのでしょうか?
夢が覚めればすべて儚く消えてしまい、
夢の外には何もありません。

ちょうどそのようなもので、
仏教では、自分の生きている世界は
自分の阿頼耶識が生みだしたものだと
教えられています。

これを『大乗阿毘達磨契経』には、
諸法を摂蔵する、一切の種子識によるが故に阿頼耶と名づく
と説かれています。

諸法」とは万物のことですから、
諸法を摂蔵する」とは、万物をおさめているということです。

一切の種子識」とは、私たちの8つ目の心である
阿頼耶識のことです。

種子とは、私たちの運命を生み出すの力を、
植物の種にたとえて
業種子(ごうしゅうじ)」といわれます。
私たちの心と口と身体のすべての行いは、
目に見えない業力となって、阿頼耶識におさまるので、
一切の種子識」といわれています。

阿頼耶とは蔵のことですので、
万物の種がおさまっている心なので、蔵の心と名づける
と言われているのです。

この目に見えない業力をおさめた阿頼耶識が、目に見える万物を生みだし、
それを五感の心で捉え、意識で考えたり記憶したりしているのです。

みんな、最初に世界があって、
その中に自分が生まれてきたと考えていますが、
まったく逆で、自分が世界を生み出したのです。

ですから「引き寄せの法則」で、
心が世界を生み出すというのもまったくその通りです。
私たちの心と口と身体のの力が万物を生みだしているのであって、
夢を自分が生みだしているのと同じです。

ところが、夢の中でどんなにお金を稼いでも、
夢が覚めればすべて消えてしまうように、
この世界も、自分が死ねば、
家もお金も家族もすべて消えてしまいます。

そして、阿頼耶識は、これまで蓄えた業力によって
因果の道理にしたがって次の世界を生み出して、
永遠に輪廻転生していくのです。

ですから、「引き寄せの法則」で、
この世のお金や彼氏を引き寄せるよりも、
より重要なのは、この輪廻転生の原因を知り、
それをなくして、永遠に変わらない幸せになることです。

では、その輪廻転生の迷いの根本原因は何かということは、
仏教の真髄ですので、小冊子とメール講座にまとめておきました。
詳しくは以下のページからご覧ください。

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