鏡の法則

鏡の法則」とは「私たちの人生の現実は、私たちの心を映し出す鏡である
というものです。2006年、総合法令出版から出版された
鏡の法則』は、100万部突破のベストセラーとなり、
2017年にはサンマーク出版から『鏡の法則 完全版』も出ています。
一体どんな内容なのでしょうか?

鏡の法則とは

鏡の法則とは、
私たちの人生の現実は、私たちの心を映し出す鏡である
と表現される
現実に起きるできごとは一つの結果であり、
その原因は心の中にある
」という考え方です。

引き寄せの法則にも似ていますが、
引き寄せの法則が日本で有名になるより前の
2006年に出された法則です。

野口嘉則の『鏡の法則』では、親子関係のストーリーを通して
この「鏡の法則」を明らかにし、
100万部のベストセラーとなりました。

一体どんなストーリーなのでしょうか?

鏡の法則のあらすじ

鏡の法則』のエピソードは、実話を元に作られた
数十ページの短いものです。
以下のようなあらすじです。

子育ての悩み

41歳の主婦、秋山栄子は子供の悩みを抱えていました。
子供が友達からいじめられているようなのです。
子供は「いじめられているわけじゃない」と言い張りますが、
野球に誘われなくなったり、
友達からボールをぶつけられたりしていることを
ママ友から聞きます。

すっかり落ち込んだ栄子は、ワラにもすがる気持ちで
夫の先輩の経営コンサルタント、矢口氏に相談しました。

鏡の法則

状況を聞いた矢口氏は、
子供が人から責められるのは、あなたが誰かを責めて生きているからだ
と「鏡の法則」を教えられます。

子供がいじめられるという人生の現実を生みだしている原因を探すため、
まず、夫を尊敬しているか聞かれると、
確かに、「思慮が浅く、教養がない」ように思い、
子供にそうはなって欲しくないという思いがありました。

そのことを矢口氏に告げると、
夫を軽蔑してしまうのには、もう一つ根本的な原因があるといわれ、
父親に許せないという思いを持っていないか
と聞かれます。

確かに許していないかもしれないと思い当たった栄子は、
矢口氏からどうすればいいのかを教えられます。

問題解決のテクニック1(父親編)

まず、
1.父親に対する許せない気持ちを存分に紙に書きなぐる
ように教えられます。

言われた通り実行して、電話すると、
次は2つのことをするようにいわれます。
2.父親に感謝できること、謝りたい(反発し続けた)ことを紙に書く
3.父親に電話で感謝と謝りの言葉を伝える

形だけで紙を読むだけでいいといわれ、
勇気を出して家に話すると、
父親はそれを聞いて言葉を失います。
電話口の母親から
あんた何かひどいこと言ったんじゃないの!?お父さんが泣き崩れている
と聞かれ、呆然とします。

お父さんは娘に愛が伝わらずに
寂しかっただけだとわかったのです。

必然の法則

矢口氏から電話があったので
このことを報告すると、
必然の法則を教えられます。

必然の法則とは、
人生に起きる問題は何か大切なことを気づかせるため」のもので、
自分に解決できない問題は決して起こらない
というものです。

父親と和解できた栄子は、
自分が父親に対して懐いていた「信頼して欲しい」という思いから、
子供の栄子に対する気持ちもわかるようになり、
子供を信頼するようにします。

問題解決のテクニック2(夫編)

そして、最初に言われた
子供が人から責められるのは、あなたが誰かを責めて生きているからだ
が直接意味している、夫への軽蔑の問題に戻ります。

次に矢口氏から2つのことを教えられます。
4.父親に対してどんな考えで接すればよかったのか紙に書く
5.子供の寝顔を見ながら、心の中で100回ありがとうをささやきかける

これを実行することにより、父親に対する接し方は、
夫に対する接し方だと気づきます。
その接し方が子供に「父親を尊敬してもよい
というメッセージを与えることになり、
子供にも変化が現れます。

ある日、家に帰ってきた子供は、
今日ね、友達から野球に誘われたんだ!
今から行ってくるから
」と飛び出していきます。

鏡の法則のノウハウ

鏡の法則のエピソードに続き、後半には問題解決のノウハウが
1つ紹介されています。
それが「ゆるし」です。

ゆるせない!」と誰かを責めているとき、
過去の出来事にしばられて、
やすらぎを感じることができません。
ゆるすことで、体も心もゆるんでリラックスでき、
やすらぎと自由を手に入れられるのです。

どうしても許せない場合

どうしてもゆるせない場合、
ゆるしを妨げているのは、以下のような思い込みです。
・ゆるすと自分が損をしてしまう
・自分が嫌な思いをしたのは100%相手の責任であって、自分に責任はない
・自分の責任を認めるより、被害者でいるほうが楽
・相手は、罪の報いを受けるべき
・恨みは復讐しないとはれない
・自分を守るためにはゆるしてはいけない
これらの信念は自分を幸せにするかどうか考えてみます。

ゆるすための8つのステップ

1.ゆるせない人をリストアップする
2.自分の感情を吐き出す
3.相手の許せない行為の動機を探る
  それを間違いと裁かず、相手の未熟さ、不器用さ弱さと受け止めます。
  そして、私がそうであるように相手も苦痛を避け、喜びを味わいたかったんだと宣言する
4.相手に感謝できることを書き出す
5.「私は私自身の自由とやすらぎと幸せのために相手をゆるします」と宣言し、
  相手に「ありがとうございます」と繰り返し唱える
6.相手に謝りたいことを書き出す
7.相手とどのように接すればよかったか考え、
  その関係から学んだことを書き出す
8.「ゆるしました」と宣言する

この『鏡の法則』の最初の出版から10年後、
加筆修正されて「完全版」が出版されています。
一体どこが違うのでしょうか?

完全版との違い

完全版では、鏡の法則の物語に大きな変化はありませんが、
全体としては、大きく2つの修正が加わっています。
1つ目は、ゆるす前に相手との境界線を引くこと。
2つ目は、根拠の明確化です。

1.相手との境界線を引く

完全版で新たに大きく増えているのは、
相手との境界線を引くということです。

8つのステップの1番目が
ゆるせない人をリストアップする」から
相手との間に境界線を引く
に変更になっているほどです。

境界線を引くというのは、
現在でも相手から傷つけられる状況にある場合、
それをゆるすのは無理が遇るので、
まず傷つけられない状況にすることです。

具体的には、相手が上司の場合は、
さらに上の上司に相談する、
外部機関に相談する、退職するなどがあげられています。

親の場合には、精神的には、
過干渉、過保護な親の場合、
反抗期の経験不足の可能性があるので、
反抗期をやり直すこと。
肉体機には、干渉しないで欲しい内容を伝える、
別居する、などがあげられています。

完全版のほうがページ数も増え、慎重になった分、
単刀直入なエネルギーや明快さは多少失われますが、
より安全性が高まっているといえます。

2.根拠の明確化

最初の『鏡の法則』では、矢口氏は栄子に「鏡の法則」のことを
心理学ではずいぶん前に発見された法則
昔から宗教で言われてきたことと同じようなもの
と言っていますが、完全版では、単に
昔から言われてきたこと」としています。

ノウハウの「ゆるし」についても、最初は、
心理学で自己受容と言う」と書いていたのですが、
完全版では心理学は影を潜めています。

自己受容」自体は、アドラー心理学の入門書である
嫌われる勇気』にも出てきますが、
普通は自分をありのままに受け入れることとして、
心理学ではいわれます。

このような心理学については根拠にあげるのをやめたようです。

次に、解説では最初、「自分の心の波長にあった出来事が起きてくる
ことを、伝統的な宗教や東洋哲学の中で教えられてきたことと共通する
と言っていますが、完全版では、
この法則は、仏教の因果応報という考え方をはじめ、
世界の伝統的な宗教や東洋哲学の教えの中でも見られます

と修正されています。

完全版にはない、オススメの本の中に
原因と結果の法則』があることから、
もともとの根拠は心理学よりも、
この自己啓発本が近いと言えます。

原因と結果の法則』は、著者のジェームズ・アレンが
仏教に大きな影響を受けて書いた本なので、仏教が根拠で正しいのですが、
完全版では仏教や「因果応報」という言葉を出して、
根拠として仏教を明確に打ち出しています。

このように『原因と結果の法則』や仏教になりますと、
あらゆることについて現実は自分が生みだしたものと
教えているのですが、『鏡の法則』では、
特に「親子関係」にしぼって取り扱っています。

親子関係に限定した場合、鏡の法則は、
特に成り立つ場合が多く、効果的であるといえるでしょう。
なぜなら、昔から「子は親の鏡」といわれるからです。

子は親の鏡

親子関係は大変難しいものですが、
親子関係の場合、子は親の鏡ということはよく言われます。

1954年にドロシー・ノルトが書いた「子は親の鏡」という詩は、
何十カ国語にも翻訳されて、世界中に親しまれてきました。
日本語では、以下のように翻訳されています。

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世はいいところだと思えるようになる
(ドロシー・ロー・ノルト『子どもが育つ魔法の言葉』1999年,PHP研究所,石井千春訳)

具体的には例えば、
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る」なら
電車に乗っている女の子が、
近くに乗ったお姉さんから
お嬢ちゃんかわいいね、何歳?
と聞かれたとき、子供は正直なので
お母さん、家の時の年を答えたらいいの?
電車に乗ったときの年?

と聞いてきます。

わずかな乗車賃を惜しんで嘘を教え、
子供に嘘をつくなと教えても、
無垢な魂に傷をつけるだけです。

横にはっている親ガニが、
子ガニに「まっすぐ歩け」と言っても
無理な話なのです。

これを子供の立場から見ているのが『鏡の法則』です。

子供が親をまねるのは当然のことですが、
鏡の法則』は、うまく行っていない親子関係を解明し、
修正する具体的な方法論を提示し、
より自由で幸せ生き方を提案した本といえるでしょう。

一般的な場合

さらに、親子関係以外にも、一般的な場合にも、
人生は自分の心を映し出す鏡である」と言えます。

仏教では、心に思うことが、口や身体を動かし、
自分が受ける色々の運命を生み出すと教えられています。
つまり、自分の行いが自分の運命を生み出す自業自得ということです。

その行いの現れた方に2通りあります。
等流因等流果(とうるいんとうるか)」と、
異熟因異熟果(いじゅくいんいじゅくか)」です。

等流因等流果とは、自分の行いと同じような運命を受けるもので、
自分が他人に対してしたことを
自分も他人からやられます。

たとえば殴ったら殴られる、
他人のものを盗んだら、自分も泥棒にあう、
というようなものです。

異熟因異熟果は、自分の行いと異なる運命を受けることです。
例えば、他人を殴ったら、病気になるとか、
他人のものを盗んだら、警察に捕まって懲役になるなどです。
しかし、原因と結果が大分異なっていても、
自業自得であることは変わりません。

等流因等流果よりも異熟因異熟果のほうがはるかに多いので、
人どのような因果関係があるのか
人智ではまだ解明されていないこともたくさんありますが、
すべての結果には必ず原因があり、
自分の運命のすべては自分が生みだしているのです。

特に、仏教では、一切の苦しみ悩みを生みだしている
苦しみ迷いの根本原因を明らかにしています。
それを断ち切ることによって、本当の幸せになれるのです。

では苦しみ迷いの根本原因とは何かというと、
仏教の真髄ですので、小冊子とメール講座にまとめておきました。
詳しくは以下のページからご覧ください。

関連記事

目次(記事一覧)へ