有頂天(天上界)とは?

有頂天(うちょうてん)」というと、喜びの絶頂や、エクスタシー、
喜びのあまり舞い上がったり、上の空になっていることをいわれます。

もともと仏教で、私たちが生まれ変わり死に変わりする6つの世界でも、
最も楽しみの多い、「天上界(てんじょうかい)」の一つです。

天上界とは神の国・天国

仏教では、私たちは果てしない遠い過去から、
六道(ろくどう)」といわれる苦しみ迷いの6つの世界を
生まれ変わり死に変わり、生死を繰り返していると
教えられています。

その6つの迷いの世界の中でも最高の世界が天上界です。
天上界に住んでいるのは、
他の宗教でいわれる神ですので、
神の国であり、天国が、天上界です。

天上界の種類

天上界には28種類ありますが、
織田信長が好きだった敦盛の
人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり
の「下天(げてん)」は、天上界の28種類の中でも一番下の世界です。
四天王がいる「四王天(しおうでん)」ともいわれます。

それ、人間の五十年をかんがえみるに、
四王天といえる天の一日一夜にあいあたれり
」(御文章)
と言われるように、
人間の50年は、四王天でいえば、たった一日だから、
夢幻のようなはかないものだ、ということです。

他にも、織田信長は第六天魔王を自称していましたが、
第六天」は、天上界の下から6番目の世界で、
第六天魔王は、仏道修行を邪魔する魔王です。

天上界の28種類の中で、下から2番目の「忉利天(とうりてん)」とか
三十三天(さんじゅうさんてん)」といわれる世界は、
仏法者の求道心を試すといわれる帝釈天が統率しているところです。
この世界も、快楽の世界ですが、
ここに生まれると、地獄以上の苦しみもあります。

地獄の16倍苦しむ天上界

例えば「忉利天」に生まれると、
若いうちは快楽に限りがないのですが、
やはり寿命があり、やがて年老いてきます。

すると、「天人五衰(てんにんごすい)」といわれる
5つの衰えが出てきます。

1つには、頭の上の花飾りがしぼんできます。
2つには、羽衣が、ごみや垢で汚れてきます。
3つには、脇の下に汗をかきます。
4つには、目がしばしばしてきます。
5つには、自宅にいるのが苦痛になります。

このような老境にさしかかると、
あのすばらしい日々は消え去り、美しい音楽も聞こえず、
美味しい料理も、もう食べられません。
今まで親切だった他の天人や天女からも、
見捨てられてしまいます。

ちょうど人間でいえば、
お金があるときは、芸能人のようなセレブな生活をしていたのが、
人気が落ちて、お金がなくなってくると、
プールつきの高級住宅でのセレブな生活もできず、
今まで「先生、先生」とあがめてくれた人たちからも相手にされず、
一人さびしく苦しむようなものです。

天上界は、ものすごく楽しいので、
最後に年をとって楽しみが失われる老いの苦しみは、
地獄の苦しみの16倍と教えられています。
他にも、この苦しみを受ける天上界はたくさんあります。

有頂天から始まる地獄

天上界に生まれるには、悪いことをせず、
十善を行じなければなりません。
さらに高い天上界に生まれるには、
神のような禅定の境地に達することが必要です。

中でも、天上界の28種類で、最高の世界が
有頂天」です。

ここに行くには、想像を絶する努力が必要です。

ところが、「有頂天から始まる地獄」という言葉があるように、
有頂天から無間地獄に堕ちることがあります。

人間でも、事故を起こすのはルンルン気分のときです。
浮かれている心をおさえることは難しいので、
苦しいときよりも、いい気分に浮かれているときのほうが
危ないといわれます。

頑張ってすごい実績を作ると、
何でもできるかのように自惚れてしまって、
大失敗をしでかすのです。

六道輪廻の中で、天上界でも最高の有頂天に生まれても、
次に地獄のどん底の無間地獄に生まれることがありますから、
苦しみ悩みはなくなりません。

これを『法華経』には
三界は安きことなし、なお火宅のごとし
と説かれています。
火宅」とは、火のついた家のことで、
隣の家が火事で、自分の家のひさしに燃え移ったときのような、
不安で仕方がない状態ということです。

このように仏教では、神もまた六道輪廻の迷いの衆生であり、
神の世界である天国も、安らかな世界でもなければ、
目指すべき目的地でもないのです。

仏教では、この果てしない苦しみ迷いを離れて、
未来永遠変わらない幸せになる道が教えられています。

それについて仏教にどう教えられているかについては、
一言では述べられないので、分かりやすいように、
メール講座と、小冊子にまとめておきました。

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