頑張るのはいいこと?
「一生懸命生きる」
「強く生きる」
「ひたむきに生きる」
「プラス思考で生きる」
これが、いいことだ。
とにかく「一生懸命頑張るのはいいことだ」
という方程式がよく言われます。
色々な自己啓発本にも書いてありますが、
あなたはどう思いますか?
一生懸命な人は魅力的?
まず、一生懸命やるとか、頑張るというのは
いいのか、悪いのかというと
間違いなくいいことです。
文句を言いながら、のろのろ走っている人よりも
一生懸命何かの目的に向かって、ひたむきに走っている人の方が
素敵ですし、魅力的に感じます。
ですが、その人はなぜ走っているのでしょうか。
パトカーに追いかけられて、ひたむきに走っているとしたら、
素敵でしょうか。
「泥棒〜待ちなさい!」と言われても、ひたむきに走っているとか。
そうなると、「かっこいいと思ったのに…」とがっかりしないでしょうか。
走っている人に目的地はどこか聞いた時、
「公園のトイレ」と言われたら、
「な〜んだ」と思います。
一生懸命ひたむきに走っている姿だけ見たら、素敵だと思いますが、
一体どこへ向かって、どういう意味があって走っていたかを知ると
がっかりしてしまいます。
逆に、子供が車にひかれそうだから
それを救うために走っているとなったら、かっこいいと思います。
ですから、ただひたむきに走ることが素敵ではないのです。
頑張るということ以上に大切なこと
一生懸命ということ以上に、問題なのは
ひたむきに何を目的に走っているのかということで、
それによって、かっこいいと思うか、がっかりするかが決まるのです。
強く、前向きに、ひたむきに、どこへ向かって生きるのか、
これが、一番問題ではないでしょうか。
安田佳生氏の著書、『千円札は拾うな。』には
「勤勉は悪、努力は報われない」と、次のように書かれています。
日本人は、頑張るのが大好きだ。
人には何かにつけて「頑張ってください」と言い、自分でもすぐに「頑張ります」という。
「勤勉は美徳、努力は必ず報われる」という慣れ親しんだ言葉を、どこか心のよりどころにしてしまいがちである。
だが、何をどう頑張ることが必要なのか。
それをきちんと理解し、実行しているか。
大切なのはそこである。
そもそも、頑張るのは、一見しんどいように見えて、実はそれほど苦しいことではありません。
何も考えなくてすむからです。
今や、人と同じことを人より長い時間やることを「努力」とは言わない。(引用:安田佳生『千円札は拾うな。』)
このようなことは、よく言われることなのです。
ビジネス書では、史上最高のベストセラーとなった
『7つの習慣』には、次のように書かれています。
目的を持って始めるということは、目的地をはっきりさせてから旅立つことである。
目的地を知ることで、現在地もさらによく分かるようになるし、いつも正しい方向に向かって歩み続けることができるようになる。
「活動の罠」──日々の生活の忙しさに追われ、やっていることそのものに意味があるかどうかを考えないありさま(引用:スティーブン・コヴィー『7つの習慣ー成功には原則があった!』)
頑張っている忙しい人が一番の怠け者という人もあります。
日本でもベストセラーになった
『金持ち父さん貧乏父さん』には、次のように記されています。
世の中には忙しい人間が一番怠けているということがよくある。
お金を稼ぐためにせっせと働いていたビジネスマンが仕事以外のことを怠けたために道をあやまった……といった話を耳にしたことのある人は多いだろう。
妻と子供に楽な暮らしをさせてやろうとせっせと仕事をし続けるビジネスマンの話だ。
男は朝早くから夜遅くまで会社で働き、週末には家にまで仕事を持ち帰る。
そして、ある日、いつものように会社から帰ると家にはだれもいない。
妻が子供を連れて家を出て行ってしまったのだ。
妻とのあいだがかならずしもうまくいっていないことは男にもわかっていた。
だが、二人の関係を修復するために努力をするよりも、仕事で忙しくしている方を男は選んだのだ。
家族を失い、落胆した男の仕事の業績はがた落ちになり、結局男は仕事も失う。
(中略)
こういう人たちがいつまでも忙しい状態を続けるのは、自分が真正面から立ち向かわなくてはならない問題を避けるためにほかならない。
そのことを彼らに指摘してやる必要はない。
心の奥底では自分でもわかっているのだから。(引用:ロバート・キヨサキ『金持ち父さん貧乏父さん』)
『コリン・ローズの加速学習法実践テキスト』には、このようにあります。
人生の道路地図
目的地も基本路線図もないままに飛び立った飛行機のパイロットをどう思いますか?
あなたの人生は旅です。
明確な目標を設定し、具体的な計画書を書くだけの価値があります。(引用:コリン・ローズ『コリン・ローズの加速学習法実践テキスト』)
また、『レバレッジ・シンキング』には、こう書かれています。
ゴールを定めることが大切です。
ゴールを明確に描く最大のメリットは、選択力が身につくことです。
自分にとって何が大切で、何が大切でないかがわかるようになります。
余計なことをしなくなり、時間、労力、お金の無駄がなくなります。(引用:本田直之『レバレッジ・シンキング』)
このように、ただ頑張ればいいのではなく、
頑張る「意味」や「目的」がまず大事なのです。
この生きる意味を知る鍵となる、仏教に説かれる苦悩の根元について、
電子書籍とメール講座にまとめておきました。
ぜひ一度見てみてください。
関連記事
この記事を書いた人
長南瑞生
日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか1人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。たまたまインターネットの技術を導入して爆発的に伝えられるようになり、日本仏教学院を設立。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと今も奮戦している。
仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者4千人、メルマガ読者5万人。X(ツイッター)(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能。
著作
- 生きる意味109:5万部のベストセラー
- 不安が消えるたったひとつの方法(KADOKAWA出版)