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お寺の目的

お寺
お寺

お寺は、全国に7万カ寺以上あると言われます。
参考:政府統計窓口 宗教統計調査
コンビニは、約4万ですので、コンビニよりはるかに多くあります。

しかしコンビニのほうが人が多く集まり、繁盛しているように見えます。
江戸時代には30万カ寺あったお寺は、明治時代には10万カ寺になり、
現在は7万7カ寺、その中で住職のいない空き寺が
1万5千から2万カ寺ですから、実質6万カ寺と、急速に減っています。

一体お寺は、何のためにあるのでしょうか?
お寺に参拝する理由や意味は何でしょうか?
まずは、お寺と神社の違い、見分け方をみてみましょう。

お寺と神社の6つの違い

お寺とよく混同されるものに神社があります。
いっしょくたに「神社仏閣」と呼ばれています。
お寺と神社にはどんな違いがあるのでしょうか?

1.鳥居の有無

まず、お寺には鳥居はありませんが、
神社には鳥居があります。

鳥居(福徳稲荷神社)
鳥居(福徳稲荷神社)

鳥居とは、赤くて独特の形をした門のようなものです。
鳥居があったら、そこはお寺ではありません。
これは見た目で分かりやすいポイントです。

お寺にはよく山門があります。

山門(東本願寺)
山門(東本願寺)

2.お墓の有無

次に、お寺にはお墓がありますが、
神社にはありません。
神道では、死をけがれとして遠ざけますので、
お墓はありませんし、神社でお葬式を行うこともありません。
お寺ではお葬式を行います。

3.名前

最後に、その建物の名前で分かります。

最後に「」とついたらお寺です。
華厳宗の東大寺
法相宗の興福寺
天台宗の比叡山延暦寺
真言宗の金剛峯寺
禅宗の永平寺
浄土真宗の本願寺など、ほとんど「」とつきます。

たまに、浄土宗の知恩院や、
10円玉の平等院のように、
」で終わるお寺もあります。

神社の場合、
厳島神社、出雲大社のように「」で終わるか、
伊勢神宮、太宰府天満宮、日光東照宮のように、
」で終わります。

このように名前が分かれば、
お寺か神社か分かります。

4.作法の違い

お寺の場合は、山門から入る際に、一礼して入ります。
寺によっては、手水舎といわれる手や口を浄める場所がありますが、こちらは仏教というより神道由来のものです。
寺の御本尊(様)にご挨拶するときは、合掌礼拝をします。
その際にロウソク(お灯明)やお線香・お焼香をあげたりします。

神社の作法は、鳥居をくぐる前に会釈をし、手水舎で心身を清めます。
それから参道の端を通って(真ん中を通らない)、神前へ進みます。
賽銭箱にお賽銭を入れ、二拝二拍手一拝の作法で拝礼し、会釈をしてから退きます。

5.住職(僧侶)・宮司(神主)の違い

お寺と神社では管理者の名称も異なります。

お寺には僧侶と呼ばれる人がおり、お寺の管理者にあたる僧侶を住職といいます。
神社の場合は、神主がおり、神社の管理者を神主と呼びます。

6.宗教の違い

最後に、根本的なこととして宗教が違います。
お寺の宗教は仏教で、
神社の宗教は神道です。

仏教と神道の教えはまったく違います。
どう違うのかは下記で詳しく説明していますので、ご覧ください。 ➾仏教と神道の7つの違い

根本的には仏教と神道の教えの違いから、
外見上の色々な違いが出てきています。

では話を戻して、お寺は何のためにあるのでしょうか?

お寺は何をするところ?葬式や墓番?

現在、お寺というと、結婚のための出会いを提供し、
婚活」をするところもありますが、
ほとんどは、葬式法事、墓守をするのが目的のように
みんな思っています。

ところがそれは、江戸時代に強調されたもので、
本来のお寺の役割ではありません。

江戸時代には、幕府が領民を掌握するために、
全員を檀家として家ごとに寺院に所属させました。

そこで寺院は、経営を安定させるために、
先祖供養を強調して、定着させたのです。

しかし、葬式も、先祖供養も、
お釈迦さまの説かれた仏教の教えではありません。
日本の土着の宗教が混ざったものです。

では、お寺は本来何のためにあるのでしょうか。

お寺の本来の目的(存在理由)

2600年前のインドで、
お釈迦さまが仏教を説き始められた最初は、
当然ながらお寺はありませんでした。

お釈迦さまは定住されず、色々なところに教えを説きに行かれるので、
仏教を聞きたい人は、自宅や、今でいう公民館のような、
村の休憩所にお釈迦さまを招待して、教えを聞いていました。

それがだんだん仏教を聞く人が増えてくると、
仏教を聞くための建物を建てるようになります。
これをインドの言葉で「ビハーラ」、
中国の言葉で「精舎」といい、
日本の言葉で「寺院」といいます。
お寺」です。

お釈迦さまがおられたときに建立された最初の寺院が「竹林精舎ちくりんしょうじゃ」、
一番有名なのは平家物語の冒頭に出てくる「祇園精舎ぎおんしょうじゃ」です。

これらは、説法を聞くための聞法会場です。

やがて、お釈迦さまのお弟子が定住するようになると、
お寺に住むようになり、お寺の中心である本堂に
御本尊を安置して、荘厳するようになったのです。

このように、仏教を聞くには場所が必要ですから、
お寺は本来、仏教を説かれる仏様を招待して、
仏教を教えを聞くために建てられた聞法会場なのです。

お寺の本堂は戦場

ですから、お寺の本堂は戦場となります。
本堂の御本尊が安置されているところを「内陣ないじん
参詣者の聞法する場所を「外陣げじん」といいます。

」とは戦争でいう陣地のことですから
聞法会場は戦場ということです。

なぜ戦場なのかというと、
内陣から法が説かれるということは、
内陣から真実の弾が飛んできます。
それを外陣の参詣者の迷いがはねつけるのです。

お寺の本堂には、真実の弾と迷いの弾が飛び交うのです。

そして、真実の弾が私たちの迷いの命にあたったとき、
迷いの命が死んで、変わらない幸福になれるのです。

ですから、聞法会場は戦場のように、
命のやりとりをする場。
仏教は「一発当たれば死ぬ」という
命がけの覚悟で聞くものなのです。

お寺で説かれるべき仏教の教え

このように仏教の教えには、どんな人でも、
苦しみを離れ本当の幸せになる道が教えられていますから、
お寺に行く本当の目的は、仏教を聞いて、
本当の幸せになること
なのです。

ところが現代では、仏教の教えが説かれるお寺が
ほとんどなくなってしまいましたので、
仏教には、どのように苦しみから離れ、
本当の幸せになれると教えられているのかについては、
電子書籍とメール講座にまとめてあります。
ぜひ読んでみてください。

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この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか1人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。たまたまインターネットの技術を導入して爆発的に伝えられるようになり、日本仏教学院を設立。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと今も奮戦している。

仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者4千人、メルマガ読者5万人。X(ツイッター)(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能

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