仏教の実践
仏教の目的は、どんな宗派であっても、仏教である限り、
生死を解脱し、悟りを得ることです。
つまり、苦しみ迷いを離れて救われることです。
では、どうすれば、苦しみ迷いを離れて、救われるのでしょうか?
そのための修行の方法は、小乗仏教と大乗仏教で異なり、
大きく分けて3通りあります。
仏教を求める3通りの人たち
仏教には大きく分けて、
「小乗仏教(テーラワーダ仏教)」と、
「大乗仏教」があります。
(→小乗仏教と大乗仏教の違い)
それぞれ実践の方法が違います。
小乗仏教の人たちには、
教えを聞いてさとりを目指す「声聞(しょうもん)」という人たちと、
中には独りでさとりを目指す「縁覚(えんがく)」という人たちがあります。
(「縁覚」は、「独覚(どっかく)」とも「辟支仏(びゃくしぶつ)」ともいわれます)
この人たちは、自分が救われないのに他人は救えない、
ということでまず自分の悟りを優先して目指します。
それに対して大乗仏教の人たちは、「菩薩(ぼさつ)」といわれ、
自分だけでなく、すべての人の救いを目指す人たちです。
「菩薩」といっても観音菩薩や弥勒菩薩のような有名な菩薩だけでなく、
本当の幸せを求める人は、みな菩薩です。
(だから、おそらくこのサイトを読んでいるあなたも菩薩です)
このように、仏教を求める人には、
「声聞」
「縁覚」
「菩薩」
と3通りの人がいます。
3通りの実践方法
この声聞が行う実践方法を「八正道(はっしょうどう)」といいます。
縁覚は、十二因縁(因果の道理)を観察します。
菩薩の実践方法を「六度万行(ろくどまんぎょう)」といいます。
これは、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」ともいわれます。
表にすると以下のようになります。
どういう人? | 実践方法 |
---|---|
声聞(しょうもん) | 八正道(はっしょうどう) |
縁覚(えんがく) | 十二因縁(じゅうにいんねん) |
菩薩(ぼさつ) | 六度万行(ろくどまんぎょう) |
大きな違いとして、八正道には、他人に親切にする行いはありませんが、
六度万行は、八正道の内容を全部含んだ上に、
「布施(ふせ)」という、他人に親切にする行いが教えられているところです。
日本の仏教は、すべて大乗仏教と考えてOKですし、
大乗仏教はすべての人の救いを求めるものですので、
この仏教ウェブ入門講座では、
六度万行を中心に学んでいきたいと思います。
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この記事を書いた人
長南瑞生
日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか1人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。たまたまインターネットの技術を導入して爆発的に伝えられるようになり、日本仏教学院を設立。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと今も奮戦している。
仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者4千人、メルマガ読者5万人。X(ツイッター)(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能。
著作
- 生きる意味109:5万部のベストセラー
- 不安が消えるたったひとつの方法(KADOKAWA出版)