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生きる意味を、知ろう。

本当に解決すべき問題とは?

あなたは、ブライアン・トレーシーの『フォーカル・ポイント』をお読みになったことがあるでしょうか。
その冒頭に、次のような話が載っています。

ある原子力発電所で故障が発生し、そこの技術者たちではどうしても原因がわからず、業界のトップコンサルティング会社の調査員が派遣されました。
彼は2日間くまなく調べ制御室の何百とあるメーターやスイッチをチェックした後、あるひとつのメーターにフエルトペンで「×」マークをつけて「このメーターが故障しています。これに接続されている機器を修理か交換すれば解決です。」と言い残して帰りました。
後日、発電所に届いた請求書は、何と100万円。
所長は、フェルトペンでひとつのメーターに「×」マークをつけただけで 100万円は高いと思い、請求明細を取り寄せました。
その明細には、次のように記されていました。
フエルトペンで「×」マークをつけた料金   :100円
「×」マークをつけるべきメーターを探す料金 :99万9,900円

このたった1つのポイントが分からないために、 この原子力発電所は、何日間も動かなかったのです。

フォーカル・ポイント」とは、焦点ということですが、
ポイントを見つけることは、いかに価値のあることなのか分かります。
この原子力発電所の技術者たちのように、
今、多くの人たちが、人生の本当のポイントは何であるか分からないのです。

人生の本当のポイントは何でしょうか。
どうすれば、満足な人生にできるか、それを考えなければならないのではないでしょうか。

少年老い易く学成り難し。
放っておいても、あっという間に時間は過ぎて
人生は終わってしまいます。
普通に社会に出て、働いて生きていけば、
満足な人生が送れるのでしょうか。

幸福の政治経済学(HAPPINESS AND ECONOMICS)』という本には、
次のようなデータが出ています。

経済学者は、過去数十年間(あるいは数世紀)にわたって国民一人当たりの実質所得が着実に増えたおかげで、人々が以前より幸福になったのは、あたかも当然であるかのように断言するが、それは正しいのだろうか。
図は、日本における国民一人あたりの実質GDPと、生活満足度の推移を示している。
おそらく日本は、第二次世界大戦後、最も顕著に所得が伸びた国といえるだろう。
一九五八年から一九九一年にかけて、国民一人あたりの所得は六倍増した。
それにもかかわらず、この期間の日本人の生活満足度は、ほとんど変わっていないと報告されている。
何人かの学者が驚くほど奇妙な関係を確認している。
すなわち、米国ではここ数十年のあいだに国民一人当たりの所得が急上昇したのに、「とても幸福だ」と考える人の比率は逆に低下しているのである。

国民1人当たり実質GDPと生活満足度の推移
【図】国民1人当たり実質GDPと生活満足度の推移

不足はないのに満足もないという状態です。
どうも、一般的に誰もが考えているように、
仕事をして経済的に豊かになれば、幸せになれるわけではないようです。

結果には必ず原因があります。
一体なぜ幸せになれないのでしょうか。

例えば腹痛になった時に、
まず医師がすることは何でしょうか。

それは診断です。
お腹を見て、原因を判断します。
原因なしの腹痛はありませんので、必ず原因があります。
胃潰瘍とか、悪いものを食べたとか、神経性のものとか。
それを判断するのが医師です。

よく誤診というのがあります。
肛門に目薬。
それなら笑えるかもしれませんが、
もし胃ガンなのに、胃潰瘍と診断したら、どうなるでしょうか。

まず医師が正しい診断をすることが先決です。
正しい診断なくして、適切な治療はできません。 もちろん、患者が全快することもありません。
まず腹痛をなくしたい時は、病気の原因を知ることが大切です。

同じように、科学がどんなに発展しても、経済が豊かになっても、
人生には色々と面倒なことや、つまらないことが多く出てきます。
どうしたら、本当に人間に生まれてよかったと心から満足できるのでしょうか。

そのためには、満足できない原因を知ることが大切です。

ですが、現在のように科学技術が進歩して、
移動も通信もすべてがスピードアップしてくると、とにかく忙しい。
毎日目の前のことをするのに精一杯です。
何が重要なのか、考える時間もありません。

それでも、人生は限られています。
今日という日は二度とやって来ないのです。
優先順位を間違えては人生を誤ってしまいます。
一体、人生の意味は何なのか。
どうすれば、本当に生きてきてよかったという人生になるのか。
単に、毎日過ごすだけではなく、
これを知るのが先決ではないでしょうか。

このことを知る鍵となる、仏教に説かれる苦悩の根元について、
電子書籍とメール講座にまとめておきました。
ぜひ一度見てみてください。

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この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか一人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。インターネットの技術を導入して日本仏教学院を設立。著書2冊。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと奮戦している。

仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者3千人、メルマガ読者5万人。ツイッター(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能

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