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生きる意味を、知ろう。

目的より過程が大事?

よく、目的よりも過程が大事といわれます。
本当にそうでしょうか。

私たちが日夜、頭をひねっていることは
目的を果たすための手段だ
とアリストテレスは解明しました。

あなたが普段考えていることも、
どうやって欲しいものを手に入れるか」とか
いかに目標を達成するか
 ということではないでしょうか。

手段よりも目的こそ、熟慮しなければいけないのに、
なぜか人間は、目的については、深く考えません。
そういうことから、
目的よりも手段が大事、
目的よりも過程が大事、
というのは、人間にとってとても考えやすいことなのです。

しかし、具体的によく考えてみてください。
受験生時代、模試を受けると、志望校は常にA判定という人がありました。
高校1年生の時から真面目に勉強していた努力家です。
ところが、その人は、やがて入試の本番で不合格になってしまうのです。
5校受けたすべり止めも、全部落ちてしまいました。
一体彼の身に、何が起きたのでしょうか。

1校落ちる度に暗く沈んでいく彼のいないところで、色々な噂が囁かれましたが、
彼に面と向かって声をかけられる友達はあまりいませんでした。
模試を受ける目的は、本番に合格するためですが、
目的よりも過程が大事。いつも模試でA判定だったんだから、いいじゃないか
なんて、まさかとても言えません。

受験勉強をしたことのある人は、
とても「合格できなくても頑張ったんだからいいや」とは思えないのではないでしょうか。
大学受験ではなく、資格試験なら、なおさらです。

過程とは、何かが始まってから、目的を果たすまでの期間のことですから、
目的を果たすために、過程は大事なのであって、
目的がなければ過程も何もありません。
目的が大事だから、その過程が大切」なのです。

社会に出て会社で働いても、
もしそれが会社の利益にならなかったら、どんなに毎日楽しく仕事をしていても、
その会社で働き続けることはできないでしょう。
すぐにリストラされてしまいます。

8回までは、大変よいゲーム展開で、ファンも盛り上がっていたのに、
最後の最後に逆転ホームランを打たれてしまった場合、
目的よりも過程が大事だよ」と言ったら、大変なことになってしまいます。

フランスの社会学者、エミール・デュルケームは、次のように言っています。

デュルケームデュルケーム

歩く行為そのものが楽しいのは、目的なき歩みにむなしさを感じないほど盲目的な間だけ。
(エミール・デュルケーム『自殺論』)

人間は考える葦である」で有名な
フランスの哲学者のパスカルは、このように言っています。

パスカルパスカル

すべての人が手段だけを考えて目的を考えないのは、なげかわしいことだ。
(パスカル)

人生全体を過程とすると、それは死ぬまでの道のりですから、
死へ向かって目的なしに歩いていくことになりますが、
それに一体何の意味があるのでしょうか。

この生きる意味を知る鍵となる、仏教に説かれる苦悩の根元について、
電子書籍とメール講座にまとめておきました。
ぜひ一度見てみてください。

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この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか一人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。インターネットの技術を導入して日本仏教学院を設立。著書2冊。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと奮戦している。

仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者3千人、メルマガ読者5万人。ツイッター(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能

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