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運がいい人の4つの特徴と法則

運というのは人生を変えます。
一瞬の不運で、長い間苦しんだり、ちょっとした幸運のおかげで
ほとんど何もせずに結果が出ることもあります。

幸運や不運がどこからやってくるのかを知らないと、
不幸や災難が次から次とやってきて、
一生運が悪いままで終わってしまうかもしれませんが、
運を味方にする方法を知っているだけで、
かなり運をコントロールできる
ようになります。

そこでこの記事では、
運の良さについてのよくある誤解と、
科学的に発見された運のいい人と運の悪い人の違い、
運を味方にする方法について分かりやすく解説します。

運がいい人の4つの特徴

まず運がいい人については、科学的な研究がなされています。
ここで参考にしたのは、イギリスの心理学者、ハートフォードシャー大学の
リチャード・ワイズマン博士が長年研究し、2004年に発表したものです。

日本でも『運のいい人の法則』という本になって出ていますので、興味のある方はご覧ください。

そのワイズマン博士が、運がいい人には、どんな特徴があるのか、
数百人を調べたところ、運のいい人の特徴が、大きく分けて4つ見つかりました。

1いつもチャンスに恵まれる

まず1つ目は、運が悪い人はチャンスに恵まれません。
よく事故にあったり、悪いことが起きるんですが、
運のいい人は、いつもチャンスにめぐりあったり、
自分の人生に大きなプラスになる人に出会ったりします。

2正しい選択をする

2つ目は、運の悪い人は、人生の岐路に立たされると、失敗に終わるような選択肢を選びます。
運のいい人は、自分でも理由が分からないまま、たいてい正しい選択をします。
仕事上も、タイミングよく正しい決断をしますし、あとで裏切るような人は信じません。
信じた人とは、いつまでもよい関係を続けられます。

3夢が実現する

3つ目に、運の悪い人の夢は、滅多に実現しません。
本当に夢物語で終わります。
ところが運のいい人の夢は不思議なくらい実現します。

4不運を幸運に変える

4つ目に、運の悪い人に不運が来ると、そのまま破滅するのですが、
運のいい人は、不運なことがあっても、それを幸運に変えてしまいます。

このように、運の悪い人と運のいい人には、4つの歴然とした違いが発見されたのです。

運についてのよくある誤解

このように、
運がいい」とか、
ついてる」とか、
ラッキー!」というと、
私たちは、たまたま運が向こうからやってきたように思います。

きっと、運がいい人には、いいことが起きる確率が高くて、
都合のいいことが偶然起こりまくる、うらやましい人なんだ

と思います。

そこで、ワイズマン博士は、
運がいい人は、いいことが起こる確率が高いのかを調べるために、
自分は運がいいという人と、
自分は運が悪いという人の、
合計700人に、宝くじの当選番号を予想してもらいました。

この時、運のいい人は、運の悪い人よりも、かなり当選する自信がありました。

ところが当選番号が発表になって、集計してみると、
運のいい人と悪い人の当選確率に違いはありませんでした。

このことから、運がいい人というのは、
宝くじにあたる自信が高かっただけで、
別に当選確率が高いのでもなければ、
予知能力があるわけでもない
ことが分かりました。

また、別の実験で、知能テストも行って、
頭の良さも、運の良さとは関係がないことが分かりました。

こうして、運のいい人に、つきが向こうから回ってくるわけではないことが分かったのです。
では、運のいい人に、自然にいいことが起きるわけではないのに、
いつもチャンスが巡ってきたり、夢が実現するという4つの特徴が現れるのは、
一体どうしてなのでしょうか。

1.運のいい人の行動の観察実験

ワイズマン博士は、次に
自分は運がいいという人と、
自分は運が悪いという人を集めて、
行動の違いを観察することにしました。

まず、喫茶店の入り口前にお札を置いて、
店内には実業家のサクラを配置して、
運の悪い人と運のいい人が、どういう行動をとるか観察したのです。

すると、運の悪い人は、まず入り口のお札に気づきませんでした。
喫茶店内では、実業家の隣に座ったのですが、
一言も会話することなく、喫茶店を後にしました。

次に運のいい人がやってくると、
まず入り口でお金を拾って、店内に入ると、実業家の隣に座りました。
その数分後には、実業家と会話が弾んでいたのです。

このように落ちていたお金に対する行動からは、
運が悪い人は、視野が狭かったり、意識が狭い範囲に集中しがちで
チャンスを見逃してしまうのですが、
運のいい人は、心理的にもリラックスしていて、
視野も広くて、チャンスに気づきやすい
ことが分かりました。

また、実業家に対する接し方からは、
運の悪い人は、あまり社交的ではないんですが、
運のいい人は、人付き合いを楽しむので、
チャンスが広がっていく
という違いも見つかりました。

2.運が悪い人の人間関係

ワイズマン博士は、特に恋愛がらみで運が悪い女性に、話を聞きました。
1人目の恋人は、最初のうちはおとぎ話のようにうまく行ったのですが、3ヶ月で彼は暴力を振るうようになり、数ヶ月で他の女がいることを知って別れる決意をします。
次の恋人も最初は順調で同棲を始めます。
ところがしばらくすると彼は仕事をクビになり、自分が2人分の生活費をまかなうようになります。
彼は仕事を見つけては辞める繰り返しで、彼女から借りたお金も返しません。
別れた時、彼に貸した数十万円の借金が返ってきませんでした。

それに対して運のいい人は、出会ったばかりの人と結婚しても長い間仲良くできる傾向にあります。

運の悪い人にも、何か感じたことはなかったのか聞いてみると、
実は、出会った時から、何か大きな間違いをしていると心の声が聞こえているといいます。
ところが、この人は信用できないと心の声が叫びをあげていても、あの人を愛しているし、もっと大人になって欲しいと願いながら、だらだらと付き合いを続けて悲惨な目にあうということが分かってきたのです。

運が悪い人にも、心の声は聞こえているのですが、1人になると孤独という寂しさに流されてしまいます。
運がいい人は、欲や寂しさなどの感情よりも、直感に従った大胆な行動をとることが分かってきました。

3.運がいい人のパズルへの取り組み

次にワイズマン博士は、
自分は運がいいという人と、
自分は運が悪いという人を集めて、
不可能に近いほど難しいジグソーパズルに挑戦してもらいました。

すると、運が悪いという人は、20分くらいで諦めてしまった上に、
ピースの数が足りないからこのパズルを完成することは不可能だ
と言い出した人まで現れました。
実際にはピースは足りていますので、これは単なる数え間違いです。

次に、運がいい人は、30分経っても一向にやめる気配がないので、声をかけると
まだ時間が欲しい
といいます。

最後に
これで実験は終わりです」と打ち切って、
いつまで続けるつもりでしたか?」と聞くと、
運のいい人たちは、
完成するまでやるつもりだった
と答えたといいます。

このように、自分は運が悪いと思っている人は、
どうせできないと思ってしまうので、何でも諦めがちになります。
それで結局、夢は実現しないのです。

それに対して自分は運がいいと思っている人は、
きっとできると思っていて、できるまでやる傾向があるので、
驚くほど夢が実現するということが分かったのです。

4.運がいい人の考え方

いくら運がいいといっても、不運に見舞われることはあります。
ところが、運がいい人は不運に見舞われても、それを幸運に変えてしまう傾向があります。
これについて、ワイズマン博士は、運のいい人と運が悪い人を集めて、
あなたが銀行の窓口にいた時に、突然銀行強盗が現れて、腕を撃たれた
という事件があった時、運がいいと思うか悪いと思うか聞いてみました。

すると、運が悪い人は、こんな状況で運がいいと思えるのは銃で撃たれるのが好きな人くらいだと言って、運が悪いと言いました。
それに対して、運がいい人は、銃で撃たれたら即死していたかもしれないのに、腕を撃たれただけで済んだのは運がいいと答えました。

こうして、運がいい人は、同じ事件でも、もっと悪いことと比較して、運がいいと思う傾向があることが分かったのです。

このような実験を繰り返し、運のいい人は、不運な出来事も、長い目で見れば幸運な結果につながると思っていたり、過去の不運にこだわらず、よく失敗を反省して、将来の不運を避けようと積極的に行動することも分かってきました。

運のいい人と悪い人の違い

このような色々な実験を行ったことによって、
運がいい人はどうしていつも得をするのか、運がいい原因が分かってきました。

運がいい人の特徴の1つ目のいつもチャンスに恵まれるのは、
運の悪い人は、視野が狭くて、人付き合いが悪い傾向にあるんですが、
運のいい人は、視野が広くて、社交的な傾向にあるからでした。

2つ目の正しい選択をするのは、運の悪い人は、直感的に嫌な予感がしても、
欲望や寂しさから悪い誘いに乗ってしまいがちですが、
運のいい人は、目先の欲望や寂しさにとらわれずに、
直感的に正しいと思う方を選ぶからでした。

3つ目の、夢が実現するのは、
運の悪い人はすぐ諦めますが、
運のいい人は、できるまでやるからでした。

4つ目の、不運を幸運に変えるのは、
運の悪い人は、不幸な過去にこだわって失敗から学ぼうとせず
運のいい人は、失敗すると、それを教訓として未来に生かそうとするからだと分かりました。

このように、運がいいというのは、いいことが起きる確率が高いのではなくて、
運がいい人の考え方や行動に原因がある
ことが、科学的に分かったのです。

ですから、幸運を味方につけるには、この運がいい人の考え方を心がければいいのです。

松下幸之助の一発で相手を見抜く質問

日本にも、昔からこのことを知っていた人がいます。
それは、パナソニックの創業者で、経営の神様とまでいわれる、松下幸之助です。

松下幸之助は、入社の面接の最後に、
あなたは運がいいですか
と質問するそうです。

そこで「自分が運が悪いです」と答えた人は
それまでの面接でどんなに学歴が高くていい感じの人でも、
不採用にしたそうです。

松下幸之助も、自分は運がいいと思っている人は、
考え方や行動が違うことを経験的に知っていて、
その人の考え方を一発で見抜く質問として
聞くようにしていたのかもしれません。

現在では、この科学的研究を知っている人も
たくさんいると思いますので、
もし他人から運がいいかどうか聞かれたら、
とりあえず「自分は運がいいと思う
と答えておいたほうが得策だと思います。

ワイズマン博士は、このような長年にわたる幸運の研究の結論として、
運のいい人が幸運を経験するのは、
幸運の女神が微笑んでいるからでも、生まれながらして幸運だからでもないのだ。
運のいい人は自分でも気がつかないうちに、
幸せで充実した人生を送れるような考え方を身につけて行く

と語っています。

幸運に恵まれるには、考え方が重要なのです。

ブッダの説かれた運命の法則

このことは、ワイズマン博士より2600年前から、
仏教を説かれたブッダも教えられています。
仏教では、自分の運命を生み出すのは、自分の行いであると教えられています。

これを「因果の道理」といって、
仏教の根幹になっている重要な教えです。
具体的にはこのシンプルな法則です。

善因善果ぜんいんぜんか
悪因悪果あくいんあっか
自因自果じいんじか

これは、善いたねは、善い運命
悪いたねは、悪い運命を引き起こす。
自分のまいたたねは、自分が刈り取らなければならない
ということです。

善因善果、悪因悪果」は、植物でたとえれば、
大根のたねをまけば大根が出てくる、
ナスビのたねをまけばナスビが出てくる、ということです。

ことわざに
瓜のつるにナスビはならぬ
と言われるように、瓜のたねをまいてナスビが出てくることは絶対にありません。
当然のことです。

この「たね(因)」というのが、行いのことですので、
善い行いは、幸せという運命を生みだし、
悪い行いは、不幸という運命を引き起こす、
自分の運命は、自分の行いが生み出すのだ

ということです。

仏教では、自業自得とか、因果応報といわれるように、
幸せも不幸も、自分の運命のすべては
自分の行いが生みだしたもの
だと教えられています。

心の重要性

自分の運命を生み出すのは、自分の行いといっても、
仏教では行いに3つあります。
心と口と身体の3つです。

世間では、行いというと、身体で何かしたことだけをいうことが多いですが、
仏教では、身体で何かするだけではなくて、
口で何か言ったり、心で何か思うのも、行いなのです。

しかも、この心と口と身体の3つの行いの中で、
一番重いのは、心の行いです。
なぜかというと、口や身体に命令をしているのが心だからです。

口が何か言ったら、それは心がそう言わせたからですし
身体が何かをしたら、それは心がやらせたからです。

口や身体が心の言うことを聞かずに、
勝手に何かしゃべったり、
何かしたりすることはできません。
口や身体を動かしているのは心ですから、
仏教では、心が最も大事です。

それで心が口や身体に表れて、
色々なことを言ったりやったりして、
その行いに応じた運命を生み出す
のです。

そのことをブッダは、『法句経』にこう教えられています。

物事は心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。

このように、一番重要なのは心なので、
考え方を変えて、できるだけ悪い心を少なくして、
善い心を多くするようにすれば、
不運や事故は少なくなって、
幸運やチャンスが多くなるということです。
少しでも善い心になるように心がけていきましょう。

さらに仏教では、単純な不幸や事故を減らして、
幸せやチャンスを多くするだけではなく、
苦しみ悩みの根本原因となっている心があるので、
その苦悩の根元をなくせば、変わらない幸せになれることも教えられています。

では、その苦しみ悩みの根本原因は何か、ということについては、
仏教の真髄ですので、電子書籍とメール講座に分かりやすくまとめておきました。
以下のページから一度見ておいてください。

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この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか一人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。インターネットの技術を導入して日本仏教学院を設立。著書2冊。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと奮戦している。

仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者3千人、メルマガ読者5万人。ツイッター(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能

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