諸行無常の響きあり

「祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり」

平家物語の冒頭の言葉は、日本人ならたいてい
一度は学校で覚えたりして知っています。

諸行無常」とは、
諸行」はこの世のすべて、
無常」は、常がない、続かないということですから、
この世の一切は続かないということです。

そしてこの「諸行無常」こそ、他の宗教にない仏教だけの旗印であり、
ほとんどの人は気づいていませんが、
あなたの人生に甚大な影響を及ばすのです。

「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」

この平家物語の最初にあるように「諸行無常」は、
平家物語を一貫するテーマです。

それというのも、平家物語は、
保元の乱、平治の乱で勝利した平清盛が太政大臣となり、
平家一門が京都で栄耀栄華を極めてから、
山口県の壇ノ浦の海のもくずと消えるまで、わずか20年という
人の世のはかなさ
を描いているのです。

最初の「祇園精舎の鐘の声」の「祇園精舎」とは、
お釈迦さまご在世中の昔、
給孤独(ぎっこどく)長者が布施したお寺の名前です。

そこで修行しているお釈迦さまのお弟子たちは、死が近づくと、
祇園精舎の中の無常堂という場所に移動し、
お弟子が亡くなるとその無常堂の鐘が鳴らされました。

何が続かないといっても、
人間の命が続かないことほど悲しいことはありませんから、
お弟子が亡くなって鳴らされる祇園精舎の無常堂の鐘の響きには、
一切のものは続かないという諸行無常の響きが聞こえるということを、
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
と言われています。

このように、この世の一切が続かないことを、
諸行無常」といわれるのです。

仏教の掲げる旗印

この「諸行無常」については、
現代では、この世のすべての物質を構成する
素粒子でさえも寿命があることが、分かっていますから、
科学的にも間違いのないことです。

ところが諸行無常は、
日本人にとっては当たり前のように感じますが、
他の宗教には説かれていないことです。

キリスト教でも、イスラム教でも、
ヒンズー経でも、日本の神道でも、
必ず永遠に変わらない霊魂などが教えられ、
諸行無常ではないのです。

ですから諸行無常は、
その教えがつの仏であるかどうかのである
三法印」の最初にあげられています。

もし仏教だといっていても、
諸行無常に反することを説いていれば、
それは仏教ではありません。
諸行無常」は、仏教の掲げる旗印なのです。

あなたの人生に及ぼす影響

この諸行無常は、単なる人生に無関係な
科学的な事実というわけではありません。

自分の人生に関係のない素粒子が無常で、
何か別のものに変化するのであれば、
別に何とも思わないのですが、
自分と関係のあるものは違います。

自分の大切にしているものは、
ずーっと自分のものであって欲しいのに、
必ず壊れたり、離れたりしていきます。

たとえば、お肌の美しさを大切にしている人は、
お肌のみずみずしさが失われ、かさかさになって、
しわしわになっていくと、苦しみます。
諸行無常ですから、お肌も無常なのです。

自分の愛する人や大切な人とはずーっと一緒にいたいのに、
やがて気持ちが変わったり、分かれる日がやってきます。
たとえしばらく続いたとしても、
最後には必ず死んでしまうのです。

そして、諸行無常の中で、最も深刻かつ甚大な影響を与えるのは、
自分の命も無常であることです。
生まれたからには、必ず死なねばなりません。
平均寿命が80歳だとすれば、約80年の命です。
日数でいえば、約3万日です。
あなたは平均寿命まであと何日でしょうか?
計算してみてください。
もう過ぎてしまった人もいるかもしれません。

残りの人生があとどれくらいあるのか自覚すれば、
自分は何のために生まれて来たのか、
今やっていることは、そんなことをやっている場合なのか、
自分の人生を振り返らずにおれなくなります。

これを仏教では、「無常を観ずるは、菩提心のはじめなり」といわれます。

無常を観ずるは菩提心のはじめなり

無常を観ずる」とは、無常を見つめるということで、
死を見つめるということです。

菩提心」とは、さとりを求める心ですから、
本当の幸せになりたいという心です。

自分もやがて死んでいかなければならないと、
現実を見つめることが、自分は何のために生まれて来たのか、
本当の生きる目的を求める第一歩なのだということです。

お釈迦さまが仏道を求められるきっかけになったのも、
自分もやがて死んで行かなければならないことに
驚かれてのことでした。

そして、死が来ても崩れない本当の幸福になれる道を
発見されたのです。

人生で、死ぬほどの重大で決定的な事件はないのに、
みんな死を忘れて生きていますから、
諸行無常」は、
あなたの人生最大の重大事を思い出させてくれるのです。

ではどうすれば、死が来ても崩れない本当の幸福になれるのかについては、
メール講座と小冊子にまとめてあります。

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