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生きる意味を、知ろう。

愛のために生きる

必要とし、必要とされる人との出会いの喜びは、
肉体的、刹那的快楽とは比べものになりません。
相性が合えば、何をしていても、自動的に幸せになれます。

ですが、激しい喜びは、無事には終わりません。
今の幸せが燃えれば燃えるほど、裏切られた痛嘆は深まるばかりです。

愛とはけっして後悔しないこと
(Love means not ever having to say you're sorry.)
という名セリフで有名な『ある愛の詩』という映画があります。
あの有名な美しい旋律は、知っている人も多いと思います。

大富豪バレット家の一人息子・オリバーは
ハーバード大学時代、図書館で知り合った
お菓子屋さんの娘、ジェニーと恋に落ちます。

そして、卒業したらパリへ音楽を学びに行くというジェニーを引き留め、
父親の反対を押し切って、卒業と同時に結婚。
バレット家を出て、安アパートに住み、ハーバード法科大学院に進学します。
ジェニーは小学校の先生をしながら、オリバーの学費を稼ぎ、大変な苦労をしますが、
愛とは決して後悔しないこと
と夫にほほえみかけます。

2年間の大変な苦労の末、
ついに、オリバーは3位の成績で卒業し
法律事務所に高給で迎えられます。
同時に2人に子供もでき、すべてが順調に進んでいるかのように見えました。

ところが、産婦人科に行ったジェニーに
医師は、白血病で今年のクリスマスは迎えることができないと死を宣告します。
オリバーは、続々とやって来るいい仕事を断って、必死に看病しますが、
ジェニーはどんどん弱っていきます。

やがて寒い冬のある日、
ジェニーが病気だと知って、オリバーの父親がかけつけた時には
時すでに遅く、ジェニーは死んだ後でした。
なぜ言わなかった!私が力になったのに
父親の言葉を、うつろな目をしたオリバーがさえぎり、
愛…愛とは決して後悔しないこと
そして一人、ジェニーとの思い出の場所に行き、永遠にたたずみます。

家を捨て、家族を捨て、莫大な財産をも捨てて
ただ愛のために大変な苦労をしてきたのですが、
思いがけず、妻も子供も失ってしまいました。
今までの努力は何だったのでしょうか。

どうして人は、別れなければならないのでしょうか。
どうして人は消えゆくのでしょう。

スイスの哲学者、カール・ヒルティは、次のように書いています。

ヒルティヒルティ

愛情の幸福にすっかり身をゆだねる人の心情が深く、
かつ純粋であればあるほど、
その人は確実に、そして完全に、不幸になるであろう、
死によってこの苦い経験からのがれるのでないかぎり。

(カール・ヒルティ『幸福論』)

世界文学の最高傑作に数えられ、ナポレオンが7回読んだといわれる
若きウェルテルの悩み』には、このようにあります。

ゲーテゲーテ

幸福というものが、同時に不幸の源になっている。
これもさだめなのであろうか。

(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』)

仏教では
愛憎一如
という言葉があります。
愛する気持ちが強ければ強いほど、
裏切られた時の悲しみや怒り、憎しみは強くなります。

人の心はおぼんの上の卵のように、コロコロ変わります。
愛して欲しかったあなたに裏切られると
狂おしい悲しみや嘆きが訪れます。

また、「会うは別れの始め」ともいわれますが、
もし、本当に愛し合っている人同士であれば
最後死別する時がいつ来たとしても、それは突然としか感じません。

すべてのものが続かないということが、知らされれば知らされるほど
崩れない幸せはないものかという、本当の幸せを求める心が強くなります。
その本当の幸せが仏教に教えられているのです。

その本当の幸せを知る鍵となる、仏教に説かれる苦悩の根元について、
電子書籍とメール講座にまとめておきました。
ぜひ一度見てみてください。

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この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか一人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。インターネットの技術を導入して日本仏教学院を設立。著書2冊。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと奮戦している。

仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者3千人、メルマガ読者5万人。ツイッター(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能

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