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生きる意味を、知ろう。

科学が発展すれば幸せになれる?

今日、科学は長足の進歩を遂げたといわれます。
ではあなたは、科学の発展をよいことだと思いますか?
それとも悪いことだと思いますか?

多くの人の頑張りで成し遂げられてきた科学の発展を
悪いことだという人は、まずいないと思います。

ところが、科学は、私たちの生活を非常に便利にした面と
生命や安全を脅かす面と、両方あるわけです。

天才科学者の悲劇

原子力は、特に問題提起されますが、
20世紀の天才科学者、オッペンハイマーが
マンハッタン(原爆製造)計画の責任者となりました。
マンハッタン計画は、アメリカの最高機密。
原爆製造に当時関わっていたのはアメリカとナチスドイツ。
当時、ヒトラーに先に原爆を作らせたら、世界は大変なことになる
アメリカが何とか先に作ろうと、世界の優秀な人材を金に物を言わせて集めました。

その責任者が、弱冠30歳のオッペンハイマー。
不眠不休で、自分でもこれ以上できないという程、スタッフ全員頑張りました。

ドイツは、原爆の理論はアインシュタインによって分かっていたのですが、
もう不可能だと、投げてしまっていました。
アメリカがなぜできたかというと
このオッペンハイマーが頑張ったからです。

そして、ニューアリゾナで、初の原爆実験をして
人類は初めてのキノコ雲を見たのです。
それを見た時、オッペンハイマーは
自分は何てすごいものをつくったのか」と感動に打ち震えたそうです。
歓喜と興奮の中、記念写真を撮った時、
中心でガッツポーズをしていたのが、オッペンハイマーです。

その原爆が、広島と長崎に落とされました。
オッペンハイマーは反対だったそうです。
そしてその後、被爆した赤ちゃんがどのように死んでいくかという写真等が
オッペンハイマーのところに全部入ってきます。
それを見て完全に陰鬱な気分になったオッペンハイマーは
人目を避けるようになりました。

戦後、ある大学では講演した時、
私の手は、血塗られている
と言って悔やんだそうです。
これを「哲学なき、科学者の悲劇」といわれています。

どれだけその才能があり、技術があり、すばらしい発明をしたとしても、
それが何に使われるのかというのが問題です。
その意味や目的が分からなかったために
オレは何でこんなものを作ってしまったのか
という悲劇に終わってしまいます。

科学を一体何に使ったら、人間は幸せになれるのか。
このような問題は、科学の土台になければならない問題なのです。

アインシュタインの公式

天才物理学者アインシュタインが、有名な相対性理論によって
E=mc2という公式を導きました。
しかし、アインシュタインは、このように言っています。

アインシュタインアインシュタイン

科学は、何々だということは言える。
しかし、何々であるべきだということに答えはない。

(アインシュタイン)

なぜE=mc2なのか、
これはアインシュタインも説明できます。
じゃあ博士、人類にとって、これはどうあるべきなんでしょうか
こういうことになると、これは答えないのです。
ですが、実はこちらの方こそ答えは大事ではないでしょうか。

原子力発電所となって生活を豊かにしている反面、
この公式のために、原爆や水爆、人類の滅亡の不安まで招いているのです。
これは、この公式が悪いのではありません。
それを何に使うのかという人間の問題になってくるのです。

使う目的によって結果が変わる

たとえば、100円ショップで買ったペンを何に使うのか。
これで、「あなた素敵」と書けば
相手はやる気が出て頑張れるようになると思います。
ところが、「お前なんか必要ない」と書くと
人を自殺に追い込むかもしれません。

この科学を何に使うのか。
人が大きな手段を持てば持つほど、
意味や目的を知らなければ、大変なことになってしまいます。

また、あなたは鉄人28号を知っていますか?
昭和30年代の日本を舞台にした漫画なのですが、
この鉄人28号というのは、かなり強いロボットです。

どうやって動かすかというと
正太郎君という小学生が、リモコンで動かしています。
しかも、非常にシンプル。
2本のスティックで、もの凄く複雑な動きができます。
悪魔軍団という、その名もずばりな悪の組織があって
同じクラスのロボットを作って、毎週毎週戦うのです。
それだけでも、何億かかるか分かりません。
悪魔軍団は、いつも煮え湯を飲まされています。

ところが、一番危なかったのは、最終回です。
ついに悪魔軍団は、あることに気づきました。
それは、強い鉄人28号と戦わずに、正太郎君をやっつければいいということです。
それで正太郎君をぶん殴って、リモコンを取り上げてしまいます。
そして鉄人28号は、東京タワー等を壊し始めるのです。

科学はいいけれど、それを誰が、どんな目的で使うのか。
それが問題です。

イギリスの作家が、
現代は首のない巨人が動き出した
と言っています。
この巨人とは科学のことです。

しかし、科学という巨人は首がありません。
だから、どこへ動いていくかも分からない。
暴走を許している。

 

だからこそ、科学に携わる者は、これを学ばなければならない。
目的なんかどうでもいい、オレは科学だけやる」という人は
マッドサイエンティストみたいになってしまいます。

史上最強のロボット、ドラえもんはどうでしょうか。
ドラえもんも「科学には哲学が必要だ」とまさに教えていたアニメでした。
場合によっては鉄人28号より強いです。

ところが使っているのが、のび太です。
全くつまらない使い方しかしないのです。
ジャイアンへの仕返しとか、
しずかちゃんへのいたずらとか。
使う人が使えば、人類への貢献できる。
ですが、のび太はほとんど幸せになった試しがありません。
大抵不幸になっています。

ドラえもんは、すばらしい道具を何に使えばいいのか、それが問題だと
意味や目的の大切さを毎週毎週教えてくれていたのかもしれません。

ですからこう考えてみると、科学も医学も政治も経済も
一体何のために使うのかという根本的なことが分からなければ、空中分解してしまうのです。

さらには、科学も医学も政治も経済も
私たちがよりよく生きるためにあるものです。
私たちが生きるのは何のためか分からなければ、
すべての努力の意味が分からなくなってしまいます。
しかも、その意味は、科学や医学、政治や経済には教えられていないのです。

アインシュタインは、次のように言っています。

アインシュタインアインシュタイン

宗教なくして科学は不具であり、科学なくして宗教は盲目です。
(出典:ジェリー・メイヤー&ジョン・P・ホームズ『アインシュタイン150の言葉』)

しかもアインシュタインは、このようなことも言っています。

アインシュタインアインシュタイン

物理的な考えを、究極に突きつめていくと、仏教に説かれる概念と、酷似したものがある。
(アインシュタイン)

また、こうも言っています。

アインシュタインアインシュタイン

現代科学に欠けているものを埋め合わせてくれるものがあるとすれば、それは仏教です。
(アインシュタイン)

一人一人に与えられた、すばらしいけれども限りある人生を
一体、何のために使えばよいのでしょうか。

本当の生きる意味は仏教に説かれているのです。

この生きる意味を知る鍵となる、仏教に説かれる苦悩の根元について、
電子書籍とメール講座にまとめておきました。
ぜひ一度見てみてください。

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この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか一人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。インターネットの技術を導入して日本仏教学院を設立。著書2冊。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと奮戦している。

仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者3千人、メルマガ読者5万人。ツイッター(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能

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