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生きる意味を、知ろう。

なぜ幸せは続かないのか

人生、結構楽しいよ」という人もあります。
あなたはどうですか?

苦しみがやって来ていないのは、とても幸せなことです。
ですが、たとえ今は楽しくても、そう長くは続きません。
やがて必ず、失う時がやって来ます。

いい学校に合格した」とか「いい仕事につくことができた」といっても
喜びは一時的で、すぐにまた元通りです。
時代の寵児ともてはやされたIT社長も
不正が見つかれば、あわれ獄中の人となるのです。

今しばらく結構楽しいだけで満足なら、それでもいいのですが、
やがて必ず崩れる時がやって来る。
なぜそのように、幸せは続かないのでしょうか?

この世は諸行無常

仏教では、これを「諸行無常」と教えられています。
諸行」とは、すべてのものということで
無常」とは、常がない、続かないということです。
ですから諸行無常とは
すべてのものは常がなく、続かないということです。

すべてのものは、続かない
仏教の大切なコンセプトですが、大抵は学校で習ったことのある言葉です。
どこに出てくるかご存じでしょうか?

軍記物語の最高傑作、『平家物語』の冒頭に出てきます。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

祇園精舎というのは、たくさんの仏弟子が修行している所で
その仏弟子が亡くなった時に、無常堂という場所の鐘を鳴らしたところからきています。

すべてのものは続かない
これは当たり前ではありません。
当然、このウェブサイトも続きません。
このサイトも、作った当初からすれば
かなり充実して、だいぶ変わりました。
そして、やがて必ず閉鎖になる時がやって来ます。

ところが、これが
このサイトも続かない」なら
ふ~ん」で終わると思いますが、
あなたのお肌も続かない」となると
え~!」となります。
自分にとって大事なものになると全然違うのです。

ですが、これは勝ち目のない戦いです。
昔はハリのあったお肌も、年齢を重ねるごとに
だんだんそのハリは失われてきます。
お肌のピークは
女性は18歳で
男性は20歳だそうです。

自分の大事なものだと、諸行無常が当たり前だと思えません。
やだー!」と言いたくなります。
諸行無常ですから、ペンは力が強ければ折れますが
それは「ふ~ん」で終わるかもしれません。
ですが、もしこれがあなたの大切な人だったらどうでしょうか。
それが大事なものなら、途端に
この諸行無常の真実がつらくなります。

しかも、すべてのものは続かないのですが
中でも続かないものは、心だといわれます。
心というのは、盆の上の卵のように
コロコロ動くから、ココロといわれるそうです。

こんなのは当たり前じゃないかと思うかも知れませんが、
自分が大切に思っている人の心が
ちょっとしたきっかけで変わってしまうのではないかと思うと
あなたも不安になるのではないでしょうか。

諸行無常だから、自分の大切にしているものが、
まだ崩れていないうちから、いつか崩れるのではないかという不安が常にある。
実はお釈迦様が出家されたのも、同じ理由でした。

お釈迦様の出家の動機

それは、約2600年前のインドにさかのぼります。
カピラ城に住んでいた、浄飯王という王様に
シッダルタという太子が生まれました。
この太子こそ、後に仏のさとりを開くお釈迦様です。
幼い頃から、学問も武芸も卓越した才を持ち、
将来の地位も名誉も約束されていました。
しかも、やがて国一番の美女と結婚し、欠けているものは何もないはずでした。

それなのに、ただ1つ、手に入らなかったものがありました。
それこそ、科学の進歩により、豊かな生活を送っている
現代の私たちも同様に手に入れることができない
心からの安心と満足だったのです。

一体なぜでしょうか。
それは、健康、財産、地位、名誉、
妻子、才能などに恵まれても、
やがてすべてに見捨てられる時が来る。
どんな幸福も続かないことを知っていたお釈迦様は
そんな人間存在の本質を知るにつけ、
まだ崩れていないうちから、心からの安心も満足もできなかったのです。

そしてついに
どうすれば、崩れない、本当の幸せになれるのか
29才の2月8日、夜中ひそかに城を抜け出し、
山奥深くに入り、そのこと1つを探求し続けたのです。

そして、6年間の想像を絶する厳しい修行の末、
」という最高のさとりを開き、この解決を見出したのです。

この答えを知る鍵となる、仏教に説かれる苦悩の根元について、
電子書籍とメール講座にまとめておきました。
ぜひ一度見てみてください。

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この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後は仏道へ。仏教を学ぶほど、その底知れない深さと、本当の仏教の教えが一般に知られていないことに驚き、何とか一人でも多くの人に本物を知って頂こうと、失敗ばかり10年。インターネットの技術を導入して日本仏教学院を設立。著書2冊。科学的な知見をふまえ、執筆や講演を通して、伝統的な本物の仏教を分かりやすく伝えようと奮戦している。

仏教界では先駆的にインターネットに進出し、通信講座受講者3千人、メルマガ読者5万人。ツイッター(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。メールマガジンはこちらから講読可能

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